プロジェクト

 

コンサベーション・インターナショナルは、自然生態系の再生、地域コミュニティの暮らしの向上、
革新的なファイナンスの仕組みづくり、そして持続可能なビジネスの支援など、
世界各地で多様なプロジェクトを展開しています。

 


アジア太平洋地域

 

© Cl / photo by Sonam Adhikari

~山からマングローブへ~ 自然のつながりを守る
Mountains to Mangroves (M2M)

気候変動と自然破壊への緊急対策として立ち上がった、南アジア史上最大規模の森林再生・保全プロジェクトのひとつ。地域でもっとも経験豊富な団体が手を取り合い、コンサベーション・インターナショナルの支援のもと、世界でも屈指の険しい山岳地帯に広がる100万ヘクタールの森林を守り、よみがえらせることを目指しています。

 

 

Areng River, Cardamom Mountains
© CI/photo by David Emmett

カンボジア・中央カルダモン森林保全

カンボジア西部に広がるカルダモン山地は、東南アジアでもっとも手つかずの自然が残る森林地帯のひとつです。カンボジアで最大の降水量を誇り、山々に降り注ぐ豊かな雨は、北のトンレサップ湖や南のタイ湾へと流れ込みます。その中心部に位置する中央カルダモン保護林は、約40万ヘクタールにおよぶ広大な保護区です。ここから湧き出る水は3万人の人びとの飲料水となり、さらに農業や漁業といったカンボジアの主要産業を支える重要な水源となっています。

 

 

© Jeremy Holden

カンボジア、プレイロング地域での大規模森林保全

CIは、2005年から始まったプレイロング地域の生態調査を基盤として、カンボジア国内で最大級となる保護区の設立を支援しました。さらに、現地コミュニティが安定した収入を得られるよう、持続可能な米の生産を推進し、森を守りながら暮らしを支える取り組みを展開しています。また、プレイロングの森林保全を長期的に支えるため、カーボンプロジェクトを立ち上げ、持続可能な資金の仕組みづくりにも取り組んでいます。

 

 

Daikin Industries Ltd is providing support to the Green Wall Project to reforest the degraded areas in Indonesia
© CI/photo by Aya Uraguchi

インドネシア・ジャワ島 グリーンウォールプロジェクト

インドネシア・ジャワ島西部に位置するグヌン・グデ・パングランゴ国立公園とグヌン・ハリムン・サラク国立公園は、あわせて約13万ヘクタールに広がる国立公園です。ジャワ島に残された数少ない熱帯林が一帯を覆い、IUCNレッドリストで絶滅危惧種に指定されているジャワギボン、ジャワクマタカ、ジャワヒョウなど、この地域にしか生息しない動物たちの最後の拠り所となっています。同時に、この森林は巨大な貯水地として機能し、雨季には洪水を防ぎ、乾季には都市を含む周辺の人びとに水を供給し続けています。

 

 

 

© Cristina Mittermeier

インド・西ガーツ北部における生物多様性保全

インドでは、農村部の家庭の8割以上が、生活のエネルギーを木質燃料に依存しています。近年は化石燃料の価格高騰を背景に、企業の工場までもがより安価で再生可能な木質燃料へと切り替えつつあり、その需要の急増が、西ガーツ地域をはじめとするインドの森林に深刻な圧力を与えています。

 

 

 

© Gerry Allen

ジンベエザメプロジェクト

絶滅危惧種であるジンベエザメを対象に、衛星タグを用いた生態調査を行い、その科学的知見に基づいて保護を進めるとともに、地元コミュニティと持続可能なエコツーリズムを開発しています。ジンベエザメは乱獲や気候変動による海洋環境の変化など、多くの脅威にさらされています。その生息環境を守ることは、世界最大の魚を未来へとつなぐだけでなく、沿岸部で暮らす人びとの生計を支える豊かな海を次世代に残すことにも直結しています。

 

中南米地域


© Conservation International Brazil

ブラジル・アマゾン森林再生プロジェクト

ブラジル・パラー州トメアスでは、荒廃地の森林をよみがえらせるために、アグロフォレストリーと自然更新を組み合わせた森林再生の取り組みが進められています。アグロフォレストリーとは、樹木と農作物を一体的に育てる農法で、森林再生と生計向上を同時に実現できる持続可能な手法です。こうした取り組みは、食料の安定供給や自然災害リスク軽減にもつながり、地域社会全体のレジリエンス(回復力・適応力)を高める基盤となっています。

 

 

 

アフリカ地域


© Trond Larsen

南アフリカ放牧地回復プロジェクト

近年、人口増加に伴い牧草地への圧力が高まっている東ケープ州北部で、私たちは地域コミュニティと協力し、牧草地の保全に取り組んでいます。持続可能な放牧を支援することで牧草地の質を高め、それが地域の重要な水資源の維持・回復につながります。さらに、この循環は植生や野生生物にも恩恵をもたらし、自然と人びとの暮らしの双方を支える持続的な好循環を生み出すことが期待されています。

 

 

 


<プロジェクトアーカイブズ>

過去に実施したプロジェクト

 

© Made Sudana

インドネシア・バリ島アグン山

​バリ島の東部、アグン山の東斜面に広がるカランガセン県では、森林破壊による土壌流出が沿岸の世界有数のダイビングスポットのサンゴ礁や漁業、観光に深刻な影響をおよぼしています。プロジェクトは、上流のアグン山山腹と沿岸の2つの村を対象に、森林の回復、代替生計の創出、環境教育・普及啓発を進めることで、陸と海のつながりを取り戻し、自然と人びとの暮らしの持続可能な循環を生み出すことを目指しています。

 

 

autumn scenery of Ganpu village
© CI/photo by Heng Wang

中国・南西部山岳地帯 アグロフォレストリープロジェクト

​中国の急速な経済発展は、深刻な環境問題を引き起こしてきました。巨大な人口を支えるためには、自然がもたらす多様なサービスを将来にわたって維持することが不可欠であり、経済発展と自然保全の両立は中国にとって大きな課題です。CIはこの課題に対し、科学に基づくモデルの開発に力を注ぎ、政府組織と協力して成功事例をつくり出しています。そして、その成果を積極的に発信することで、広大な国土の他地域へと展開を広げています。

 

 

© Liam Walsh

リベリア・東ニンバ自然保護区

西アフリカ・ギニア森林ホットスポットには、アフリカ全土の哺乳類種の4分の1以上が生息し、20種もの霊長類が暮らしています。この地域は、他に行き場のない野生生物にとって最後の生息地のひとつとなっています。リベリアはそのほぼ全域がこのホットスポットに含まれ、衛星画像で見ると、森林を失った周辺国々の間に浮かぶ緑の島のように映ります。

 

 

 

 

 

© Pete Oxford/iLCP

ブラジル・アマパ生物多様性コリドー森林保全

アマパ州は、アマゾン川の河口の北部、赤道直下に位置し、世界最大の熱帯雨林アマゾンの一角を成すとともに、ギアナ高地の一部でもあります。州面積の76%を占める複数の保全地域は、連続した熱帯保全林として世界最大のアマパ生物多様性コリドー(1,065万ヘクタール)の一部を形成し、極めて豊かな生物多様性を誇る宝庫となっています。

 

 

 

© Yoji Natori

GEF-Satoyama プロジェクト

国際基金である、地球環境ファシリティ(Global Environment​ Facility:GEF)の承認を受け、CIジャパンと国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、地球環境戦略研究機関(IGES)が共同で実施する、GEF-SATOYAMAプロジェクトは、日本の里山のように、人と自然が共存している世界各地のコミュニティを対象に、生物多様性の保全と持続可能な利用を促進することで、自然と共生する社会の実現を目指すプロジェクトです。

 

 

 

© Conservation International/photo by Erickson Tabayag

SATO YAMA UMI プロジェクト

経済発展が著しく、自然環境の劣化が激しいアジア太平洋地域の6か国にて、湿地、森林、島嶼、環礁など、多様なフィールドを対象に、人材育成と環境教育活動を実施しています。各地に伝わる伝統的知識を生かしながら、生物多様性保全、資源管理などに関する新たな教材やツールを開発し、広く共有を図るとともに、ユースプログラムでは、将来の環境リーダーの育成を目指した海外インターンシップ事業などを行っています。