オシリス(OSIRIS)

REDD効果を図るシュミレーションモデル

 

CIは、さまざまな機関との連携により“Open Source Impacts of REDD Incentives Spreadsheet” (OSIRIS:オシリス)と呼ばれる、REDD制度設計において、効果を検証するモデルを作成しました。OSIRIS(オシリス)は、エジプトの「植生の神」からきた名です。様々な条件を設定し、REDDの排出削減効果や、REDDの実施によって得られる収入などを数値的にシュミレーションし、REDDによる経済的インセンティブの与え方を検討することができます。政策立案者にとっては非常に魅力的な政策デザインツールです。エクセルを使ったプログラムで、誰でも使うことができます。

さらに、現在CIでは、OSIRISを利用し、REDDの排出削減効果に加え、生物多様性保全への付加価値を付与する場合の分析を、一部の途上国においてパイロット分析しています。

 

ユーザーは、以下のパラメータをインプットすることにより、分析を実施することができます。

  • 炭素価格 ($/ton CO2e)
  • 管理費・トランザクションコスト ($/ha or $/ton CO2e)
  • 森林土壌炭素がREDDに含まれる割合
  • REDD参加国の構成
  • 森林の農地転用の弾力性   など

分析の結果、以下のアウトプットを得ることができます。

  • ベースラインに対する排出削減量 (ton CO2e/yr)
  • 消失が回避された森林面積 (ha/yr)
  • REDDの収入の分配 ($/yr)
  • 排出削減の経済効率 ($/ton CO2e)   など

解析結果の例

REDDの仕組みがいかなるものでも、REDDを組み込んだ方がREDDを組み込まない排出削減対策より大きな効果が見込まれることが分かっています。

REDDのインセンティブの与え方により、排出削減の効果は大きく変わります。とくに、森林被覆率が高く、森林減少の少ない(High Forest Cover, Low Deforestation: HFLD)国にインセンティブが無いと、そのような国からの排出量が増加し、REDDの効果が薄れることが示されています。