COP15閉幕CIステートメント

12月 19, 2022

新たなGBFの採択は、ようやくスタート地点。大事なのはこれから。

カナダ・モントリオール(2022年12月19日)-コンサベーション・インターナショナルは、生物多様性条約締約国会議(COP15)の閉幕を受け、ステートメントを発表しました。COP15では、2030年までの生物多様性のための行動と資金の指針となる、世界的目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」の最終版がまとまりました。

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GBFを通じて、世界は一丸となって、2030年までに陸と海の少なくとも30%を保護・保全する計画を実行し、地球の生命維持システム(世界の均衡を保つために役立つ動植物)に生じた様々な損害を修復するための責任を負い、取り組むことに合意しました。 「30 x 30」は、先住民族と地域コミュニティ(IPLC)のテリトリーを認識しながら、人間のウェルビーイングに不可欠である水や食料、空気、気候の安定といった、生態系サービスを提供する場所に重点におく形で進められます。

コンサベーション・インターナショナルは、7000億ドルと見積もられる保全資金の不足を縮小する動きができたことを歓迎します。しかし、必要な野心レベルには全く至っておらず、まだやるべきことがあります。目標18において、有害な補助金を全世界で5,000億ドル削減することが明記されたことや、新たな生物多様性基金の設立は必要なステップですが、同時に自然保護と保全へ民間部門からの資源の流れを引き続き促進していく必要があります。Target 15に明記されたビジネスの役割については、政府の制度設計を待つことなく、全てのビジネスが直ちに正しい方向へ動き出すことが期待されます。そのためには、ビジネスと自然の関係を理解する自然資本評価が不可欠になります。

最終合意は全体的にポジティブなものですが、人間とその他の種、気候の安定化に非常に大切な場所の保護に関する内容が盛り込まれていません。人間に最も直接的な利益をもたらす場所には、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類など陸生脊椎動物の全種の少なくとも60%が生息しています。そして、排出されたら回収しきれない炭素(Irrecoverable Carbon) を貯蔵している生態系の80%以上と重なっています。

自然が人間にもたらす恩恵に焦点を当てた目標には、“どこに”保全行動を集中させることが最も有益であるか、という国への指針が含まれていません。指針がなければ、限られた資源が保全効率の低い場所へ投入されてしまう心配があります。優先分野への投資は、同時に生物多様性、高炭素貯蔵生態系、そして人間が生活を依存する自然を保護することです。

2年の遅れを経てようやく合意にこぎつけた今、世界はようやく大変な仕事を始めるスタート地点に立ちました。今こそ、COP15の約束を果たし、目標を確実に達成しなくてはなりません。過去の失敗を繰り返さないためには、継続的な取り組みの実践と資金が必要です。今や100万種が絶滅の危機に瀕しており、一刻の猶予もありません。コンサベーション・インターナショナルは、自然の価値を認めて活かし育み、全ての種が繁栄することのできる世界を目指して活動していきます。

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◆コンサベーション・インターナショナルについて
コンサベーション・インターナショナル(CI)は、自然が人々にもたらす重要な便益を守るために活動しています。 科学、パートナーシップ、フィールドワークを通じて、気候危機に対する自然に基づくソリューションへのイノベーションと投資を推進させ、重要な生息地の保護を支援しながら、自然保護に基づく経済発展を促進します。 世界30か国で、あらゆるレベルで社会を活性化させながら、よりクリーンで健全で持続可能な社会を作ることを目指しています。
 
 
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