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自然に依存する人々~熱帯諸国に暮らす12億人のベーシック・ヒューマン・ニーズ※1が直接的に自然に依存していることが明らかに~

10月 4, 2021


アーリントン、米国バージニア(10月4日)
蘭科学誌Global Environmental Changeに発表された新たな研究で、熱帯諸国に暮らす12億人の人々が、生きるために必要な基本的ニーズ〜ベーシック・ヒューマン・ニーズ〜を自然に大きく依存していることが明らかになりました。コンサベーション・インターナショナルが取りまとめたこの論文は、継続的な自然の劣化と喪失に対し行動を起こさなければ、気候変動の影響とともに、多くの人々の生命と生活が脅かされる可能性を示しています。

全ての人間が自然を必要としている一方で、この度発表された“Nature-dependent people: mapping human direct use of nature for basic needs across the tropics“では、調査した85の熱帯諸国に暮らす人口の30%以上を占める12億人が、住居、清潔な水、調理用燃料、主な収入源という、4つの基本的ニーズのうち、少なくとも3つを満たすために直接的に自然を必要としていることが明らかになりました。

「自然保護と人間開発が深く関わっていることはわかっていますが、この関係がどこでどのように最も重要なのかを定量化することは、自然の価値についての理解を深め、特に脆弱で必要としている人たちのために、自然を持続可能な開発の中心に据え直すことができます。」と、論文の主筆であり、コンサベーション・インターナショナルのムーア科学センター所属の気候科学者であるジャコモ・フェデレは述べています。

インタラクティブマップより

12億人のうち、ほとんどの人が主なエネルギー源を自然に頼っており(熱帯地域総人口の31%)、次に収入源(29%)、住居用資材(29%)、水(16%)と続きます。 ただし、これらの依存関係のパターンは、地域をまたいで均等に分布しているわけではありません。

  • 熱帯アジア太平洋地域の自然に依存する人々は、合計6億3600万人、つまり地域の総人口の27%を占める。
  • アフリカでは、4億7800万人(地域の人口の48%)が自然に依存している。
  • 南北アメリカでは、4,800万人(地域の人口の9%)が人間の基本的なニーズを満たすために自然に依存している。

今回の調査結果はまた、自然に依存する人々の割合が高い国ほど、人間開発指数※2のスコアが低いことを示しています。これは、人々が人間の基本的なニーズを満たすために必要不可欠な一次資源として、代替技術やインフラ、サービスへの十分なアクセスがない可能性があることを示しています。

「基本的なニーズを自然に直接依存している人々は、気候や土地管理、土地所有権の変化など、環境の変化に特に影響を受けます。これは、気候変動による多くの影響と同じく、一部の人々に他よりも大きな影響を及ぼし、最も自然に依存している人々が特に危険にさらされることを意味します。」とフェデレは述べます。 「しかし、その逆も当てはまります。自然が持続的に管理されていれば、人々の利益を最大化することができるといえます。 だからこそ、国や地域の政策決定においては、自然を包括的に保護することを優先し、自然の中で暮らす人々に環境管理を任せることが不可欠なのです。」

生態系の保護、再生、または持続可能な管理を行う効果的な戦略には、炭素蓄積量を維持するために原生林を保護し、野生の果物やはちみつなど、林産物へのアクセスおよびそれらの持続可能な利用を可能にする方法や、これらの森林が周辺のコミュニティに防災面での利益をもたらすことが含まれます。 また、沿岸のマングローブ生態系を再生することで、地球規模で生物多様性を支え、炭素を豊富に含むマングローブを保護するだけでなく、強風や高波を緩衝し、多様な資材を提供することで、漁業コミュニティの資産を守ることができます。

著者たちは、自然に最も直接的に依存している人々のニーズや願望を考慮して戦略を策定・実施することが極めて重要であるということを強調しています。今年11月に開かれる気候変動枠組条約COP26会議での各国間の交渉や、来年の国連生物多様性条約会議で次なる地球規模の生物多様性保全の枠組みが承認される際には、環境正義と公平性が最重要課題として取り上げられるべきであるということです。人々が自然に最も依存している地域において、包括的な自然保護と持続可能な管理を優先することは、自然が最も脆弱な人々の差し迫ったニーズを満たし、結果的に社会的課題に対処するための、より効果的で公正な、自然ベースの解決策をもたらすことにつながります。

本論文の発表と併せて、CIでは、調査対象となった85の熱帯諸国における、自然に依存する人々の人口や依存パターンなどのデータを地域別に示すインタラクティブマップをリリースしました。 このマップは、自然に基づく戦略的計画の策定を支援し、SDGs(持続可能な開発目標)など人間開発目標の達成に役立つ可能性があります。

 

※1ベーシック・ヒューマン・ニーズ:衣・食・住に加え、教育や保健衛生などの社会サービス、雇用なども含めた、人間生活にとって最低限かつ基本的に必要とされるもの。
※2人間開発指数:保健、教育、所得という人間開発の3つの側面に関して、ある国における平均達成度を測るための簡便な指標。

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コンサベーション・インターナショナルについて
コンサベーション・インターナショナル(CI)は、自然が人々にもたらす重要な恩恵を守るために、世界70の国と地域で活動しています。 科学、パートナーシップ、フィールドワークを通じて、気候危機に対する自然を基盤とした解決策の革新と投資の推進、重要な自然生態系の保護、自然保護に根ざした経済発展を促進しています。あらゆるレベルで社会を活性化させながら、よりクリーンで健全な、持続可能な地球を作ることを目指しています。

 

お問い合わせ:
CIジャパン 広報担当
磯部 麻子
aisobe@conservation.org