フィリピン
​Restored mangroves around a shrimp farm in Batangas, Verde Island Passage, Philippines. Mangroves provide coastal protection from storms, reduce the impacts of floods and are important fish nurseries.
© CI/photo by Giuseppe Di Carlo
 
フィリピンホットスポットには7,100を超える島々があり、世界でも最も生物多様性が豊かな国の一つとされています。原生林面積のわずか7パーセントしか残っておらず、多くの固有種は、その断片化した森林を生息地とし、ここには、6,000種以上の植物種とヨイロハナドリ、フィリピンオウム、アカガシラサイチョウ、巨大なフィリピンワシといったたくさんの鳥類が含まれています。両生類における固有性も著しく、パンサーフライングフロッグなどユニークな種がいます。

フィリピンは最も危機に瀕した地域の一つでもあり、歴史的には、木製品のために森林伐採が行なわれ、現在では、農業の需要や人口増加に伴う開発行為が原因となり、森林伐採は進んでいます。






概説

フィリピンはインドネシアに次ぐ世界最大の列島で、太平洋最西端の総面積297,179 km²を囲む7,100以上の島々から成っています。島はインドネシアの北、ベトナムの真東に位置します。また、国土全体が、ホットスポットであり、非常に多様性に富んだ、数少ない国の一つであり、地球規模での保全を優先するべき国となっています。

列島は、中には3,000万~5,000万年前にもさかのぼる、複雑かつ長い地質学的背景をもつ離島の連なりから構成されています。少なくとも17の活火山があり、フィリピンの島々は太平洋地域の環太平洋火山帯の一部となっています。この列島は南北1,810キロメートルに渡っています。ルソン島北部から台湾までの距離はたったの240キロメートルしかなく(類縁する植生もみられます)、パラワン島南西部はマレーシアのボルネオ島から40キロメートルしか離れていません。パラワン島はおよそ145メートルの深さの海峡によって隔てられており、スンダランド・ホットスポットにおいてフィリピンとボルネオの両国に植生における類縁性がみられ、ワラセアにおいては非常に強い類縁性をもつ動物相がみられます。

数百年前、フィリピン諸島はほとんどが熱帯雨林に覆われ、国土の大部分は、美しい硬木と称され、非常に背の高い、フタバガキ科(Dipterocarpaceae)に占められた低地熱帯雨林に覆われていました。より高地に行くと、今や、その熱帯雨林は、山地林や苔が生えた森林(ほとんどの場合、低木や草木で構成される)に取って代わられ、残りその他の部分は、小規模ですが、季節林、混合林、サバンナ、マツが占める雲霧林などで覆われるようになりました。