ニュージーランド
​Endangered plants on Ulva Island, New Zealand.
© CI/Photo by Russell A. Mittermeier
 

山岳地形を持つ島々から成るニュージーランドには、多様な固有種が生息する温帯熱帯林があります。代表的な種として、翼のほとんどない鳥で有名なキーウィが挙げられます。ここに生息する哺乳類、両生類、爬虫類はどれも世界でこの地域を除いて見ることはできません。最も深刻な脅威は侵入種であり、700年前の人類の入植以来、すでに50種の鳥類が絶滅しました。今日、侵入種がニュージーランドの動植物相に最も深刻な脅威をもたらしていますが、森林伐採や湿地の排水による生息地の破壊もまた重要な問題となっています。





概説

南太平洋のオーストラリアの南東約2,000 kmに広がる島々からなるホットスポット、ニュージーランドは、3つの主要な島(北島、南島、およびスチュワート島)と、諸島を囲むいくつもの小さな島々:南島の東800kmにあるチャタム諸島、北にケルマデク諸島、南に亜南極諸島(バウンティ諸島、アンディポデス諸島、キャンベル諸島、スエアズ諸島、オークランド諸島、およびマーコーリー島)を含め、27万197km²から成り立っています。また、オーストラリア領になるロードハウ島、ノーフォーク島も含まれています。

ニュージーランドは生物地理学的に、ノーフォーク・ライズ通じてでニューカレドニアとつながっており、ニュージーランド、ニューカレドニアともに、ゴンドワナ大陸から同時に分離しましたが、この2つは約4000万年前までは陸続きでした。 両ホットスポットは、「古代の救命ボート」と呼ばれ、その大部分は、隔離され、独特の動植物相を進化させてきました。

ニュージーランドは、亜熱帯から亜南極圏まで広範囲な緯度にかかり、岩だらけの山、なだらかに起伏した丘、広い沖積平野など、様々な景観が広がっています。また、地震や火山活動が頻発するなど、構造学的に活発な動きが見られます。陸面積のおよそ75%は標高200m以上にあり、最高峰はアオラキ(クック山)で、3,700mに達しています。

気候は、島全体で変わりやすく、生物多様性の分布に重要な役割を果たしてきました。 年間降水量は南アルプスの西側斜面で1万2000mm(世界一降雨率が高い場所の1つ)から、同じく東側の雨蔭(山の風下側で雨が少ない)の300mm以下まで様々です。ケルマデク諸島は、亜熱帯性気候で、1年を通じて暖かく、湿度がありますが、チャタム諸島は基本的に、曇りがちで、湿気を伴った気候で、冬は、冷涼で湿度があり、夏は、暖かく、基本的に乾燥しています。

ニュージーランドの森林は激減してきましたが、現存している森林のうち、最も印象的なのは、巨大なニュージーランドナギモドキ(Agathis australis)で、極北にのみ生息しています。北島の他の森林は被子植物に覆われ、島の南側部分と南島は、ゴンドワナ大陸の裸子植物とマキ科と南部のブナ科( Nothofagus spp.)に覆われています。  

南アルプスの西側の森林は地球上で最も広大な温帯熱帯林の中にあります。その他の植生タイプは、低木や灌木地帯、樹木限界線より上の雪草(Chionochloa spp.)などを含んでいます。より高い高度になると、植生はクッション植物が特徴となります。キク科の低木で、奇妙な形をした“ベジタブル・シープ” (Raoulia and Hastia spp) など、その多くは固有です。