海洋健全度指数 ​(オーシャン・ヘルス・インデックス/OHI) ​​2013年の結果公表

10/14/2013

​​世界の海洋管理、改善の余地あり。食料供給に危機


バージニア州アーリントン(20131015)-本日、「海洋健全度指数(オーシャン・ヘルス・インデックス/OHI」の2013年版評価結果が発表​されました。オーシャン・ヘルス・インデックス(OHI)は、健全な海を「今も、将来も、人々へ様々な恵みをもたらす海」と定義し、海洋の健全性を生物学的、物理学的、経済学的、および社会学的な様々な側面から評価する世界初の評価ツールで、昨年、科学誌「Nature」に発表されました。持続可能な状態を100点とする10の「目標」からなり、これまでできなかった海洋の健全性に関する異なる側面間や地域間の比較が可能です。今回の発表では、昨年の発表の後に寄せられたフィードバックを基に、評価方法と計算に使用されるデータが改良されています。排他的経済水域(EEZ)間で差はあるものの、世界全体の海洋の全体スコアは100点満点中65点で、人類の幸福のために、海洋の管理にはまだまだ改善の余地が残されていることを示しています。「食料供給」のスコアが、世界平均で100点満点中33点と低く、食料確保の危機を表しています。日本のEEZに関しては、18点とさらに低いスコアでした。

​「目標」別の世界全体のスコアと日本のスコア

注)本表の2012年の値は、改良された計算方法を使って再計算しているため、2012年に発表された値と異なる場合があります。​

食​料確保の危機
「天然もの漁獲量」と「養殖量」から求められる「食料供給」は、100点満点中33点という低いスコアを示しました。33点というのは、特に魚介類が重要なたんぱく源である地域において、食料確保が危機にさらされていることを示しています。食料供給目標において高得点を収めた上位10地域は、オセアニアの太平洋島嶼諸国、そして西南太平洋の諸国(ソロモン諸島、ツバル、パラオ、マーシャル諸島、バヌアツ、ウォリス・フツナ、パプアニューギニア、ナウル、ハード島とマクドナルド諸島、そしてニューカレドニア)です。世界のマグロ漁の半分がこの海域で行われていることから、これら国・地域での健全性は特に重要です。

漁獲量上位10カ国における、「食料供給」目標中の準目標である「天然もの漁獲量」のスコアは、中国(16)、ペルー(67)、ロシア(16)、アメリカ(41)、インド(13)、インドネシア(25)、チリ(49)、日本(17)、ノルウェー(34)、そして台湾(8)となっています。これらの平均は29で、漁獲の世界全体スコアより2点低いものとなっています。漁獲量は、水揚げ国や消費国ではなく、漁獲が実際に行われた地域について計算されるため、スコアはEEZ内の漁業の状況を表します。また37カ国・領域では、10点以下の低い評価になりました。

天然もの漁獲量上位
10カ国・地域の「食料供給」スコア(「食料供給」のスコアは、天然もの漁獲量と養殖量のスコアを、それぞれが総漁獲量に占める割合によって加重平均して求められています)​

今回の発表では、食料供給目標の算定方法が改良されました。過去にデータが不十分だったストックの最大持続生産量 (MSY) を評価するための、新手法を開発しました。2013年のスコアと比較できるように、2012年のデータも新手法で再計算しています。このため、2012年のスコアが昨年の発表と異なるものが場合があります。

富は健康を意味しない
GDPによる経済パフォーマンスとOHIスコアの間には、ほとんど相関性が見られませんでした。GDP上位15カ国のOHIスコアの平均は65点で、世界の平均値と違いはありませんでした。

GDP上位15カ国


日本版OHIの可能性
OHIによるグローバル評価は、問題点の発見に効果的です。地域ごとの評価を行うことで、より詳細な情報を得ることも、海洋管理の改善に効果的といえます。環境的に多様なうえ、日本人の食生活や文化とも関係が深い海をより良く把握するため、日本版のOHIを開発する意義は大きいといわれています。昨年の発表以来、OHIの評価項目に放射能による海洋汚染を含めるべきとのコメントを多数いただきました。グローバルな評価に含める段階にはありませんが、日本版OHIを開発することで、評価に含めることができるでしょう。 ###

オーシャン・ヘルス・インデックスについて-オーシャン・ヘルス・インデックス(OHI)は海洋の健全性を、生物学的、物理学的、経済学的、および社会学的な様々な側面から評価する世界初の評価ツールで、昨年、科学誌「Nature」に発表されました。持続可能な状態を100点とする10の「目標」からなり、これまでできなかった海洋の健全性に関する異なる側面間や地域間の比較が可能です。

OHIは、カリフォルニア大学サン​タバーバラ校・国立生態系分析統合センター (National Center for Ecological Analysis and Systhesis/NCEAS)、ブリティッシュ・コロンビア大学Sea Around Us (われらをめぐる海) プロジェクトを含む、65人以上の海洋専門家の協力を得て開発されました。OHIの設立パートナーは、コンサベーション・インターナショナル、ナショナル・ジオグラフィック協会、ニュー・イングランド水族館。設立スポンサーはパシフィック・ライフ財団、また設立助成金をボー&ヘザー・リグリー夫妻(Beau and Heather Wrigley) よりご支援いただきました。

ベティー&ゴードン・ムーア科学海洋センターEVPグレッグ・ストーン博士による関連ブログ記事(英語)​​

以下のリンクからOHIスコアの世界マップがダウンロード可能です。詳細はOHIサイトをご覧ください。使用されたデータや結果は、こちらのサイトからダウンロード可能です。

(リンク先のページから入手可能なマップおよび写​真は、クレジットを明記することを条件に、ご自由にメディアをご利用いただけます。)


結果のエクセル版:Final_results_For_Press_10.8.xlsFinal_results_For_Press_10.8.xls
20128月号「ネイチャー」誌掲載記事- “An index to access the health and benefits of the global ocean”



代表科学者:
ベン・ハルパーン
Ben Halpern
NCEAS, University of California-Santa Barbara
805.259.7474 (cell)
halpern@nceas.ucsb.edu

アンディ・ローゼンバーグ
Andy Rosenberg
Union of Concerned Scientists
(previously Conservation International)
603.767.9501(cell)
arosenberg@ucsusa.org

スティーブ・カトナ
Steve Katona
Conservation International
207.266.6018 (cell)
s.katona@conservation.org