“失われた両生類を探して”キャンペーン最終報告書
 

“失われた両生類を探して”キャンペーン
~希望と懸念に満ちた最終報告書~

前代未聞の大規模調査により絶滅の危機に瀕した両生類15種がインドとエクアドルで見つかる一方、多くの種が依然として“失われた”ままである。

【2011年2月17日 米国・ヴァージニア州】
2010年8月にコンサベーション・インターナショナル(CI)とIUCNの両生類専門家チームがグローバル・ワイルドライフ・コンサベーション(GWC)のサポートを受けて始めた“失われた両生類”を探す調査キャンペーンの最終報告書が発表された。この調査キャンペーンは、2010年8月から12月にかけて、5大陸21カ国126人の研究者が参加して実施された。※参加国については下記リスト参照。

5か月におよぶ調査の結果、11種以上の予期せぬ発見があったものの、当初の探索対象に掲げた100種の中からは、わずか4種の発見にとどまった。この結果に対し、専門家らは、当初想定していた探索目標を大きく下回る失望するような結果であり、環境の危機を警告するバロメーターである両生類の、これ以上の減少を食い止めるため、迅速かつ協調した行動を各国に呼びかける必要があるとしている。

このキャンペーンは、多くの“失われた”両生類を探すという、初の大がかりな試みであり、その目的は、絶滅の危機に瀕する両生類の生存状況、すなわち、環境変化の影響を受けやすい両生類たちが、生息地の喪失や気候変動、疫病のような外圧が増す中で、どの程度生き延びてきたかを調査し、危機的な状況に隠された真実を科学者間で共有し合うことであった。

両生類は最も危機に瀕している脊柱動物で、その30%以上が生息地の喪失やカエルツボカビ症などよる絶滅の危機に瀕している。

“失われた”TOP100種のリストの中から、再発見された両生類は以下の4種である。

<2010年9月発表>
■ メキシコ:The Cave Splayfoot Salamander(学名Chiropterotriton mosaueri)最後の確認は1941年
■ コートジボワール:The Mount Nimba Reed Frog(学名Hyperolius nimbae)最後の確認は1967年
■ コンゴ共和国:The Omaniundu Reed Frog(学名Hyperolius sankuruenisis)最後の確認は1979年

<2011年2月発表>
■ エクアドル: Rio Pescado stubfoot toad (学名Atelopus balios) 最後の確認は1995年

注目すべき再発見は、1995年4月に目撃されたのが最後になっていたRio Pescado Stubfoot Toad, (学名Atelopus balios)で、ツボカビ病によって全滅したと考えられていたが、昨年10月、エクアドルで、現地住民から寄せられた情報を元に、農地と熱帯雨林に覆われた地域の川付近を探索した結果、発見された。

Stubfootは今回のキャンペーンのトップ10リストで確認された唯一の種であり、かつ、今回発表されたRio Pescado Stubfoot Toadは、エクアドルのごく限られた場所(南西エクアドルの太平洋側低地帯)でしか確認されていない。
現時点ではその場所は保護地域になっておらず、この種が今後も生存し続けていくかは懐疑的であり、今回見つかった種はかろうじて生き残っているだけかもしれないとされる。

両生類は農作物に影響を与える害虫を駆除したり、健全な淡水系を維持するような機能を果たすほか、両生類の肌に含まれる化学物質はモルヒネの200倍以上の鎮痛薬成分に匹敵するなど、新薬開発の面においても、人間にとって大変重要な便益を与えてくれる存在である。

その他、インドでも、CIのグローバルキャンペーンに触発された科学者らが、現地固有の種に的を絞って同様のキャンペーンを展開した結果、5つの“失われた”カエルを発見した。その中には1874年を最後に見つかっていないものも含まれていた。

キャンペーンのチームリーダー、CIのロビン・ムーア博士のコメント
「今回の再発見は我々に希望を与えてくれたのと同時に、裏を返すと、発見したかったものの多くが見つからなかった。これまでの100‐1000倍の速さで絶滅が進んでおり、我々が現在地球史上第6次に相当する大絶滅期の真っただ中にあるということが証明された。」


“失われた”両生類キャンペーンはこれで終了するが、CIとASGは、両生類の絶滅を食い止めるような取り組みを今後も協力して続けていく予定である。

さらに詳しい情報はwww.conservation.org/lostfrogs(英語サイト)


“失われた両生類を探して”キャンペーン 概要

期間: 2010年8月から2010年12月
調査スタッフ:126 名
対象地域:5 大陸
対象国:21か国
オーストラリア、ブラジル、カメルーン、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドール、ガテマラ、ハイチ、インド、インドネシア、コートジボワール、リベリア、マレーシア、メキシコ、ルワンダ、南アフリカ、トーゴ、ベネズエラ、ジンバブエ

●結果チャートはこちら

THE TOP 10 “LOST” AMPHIBIAN SPECIES:
・ Golden toad (Incilius periglenes) Costa Rica - last seen in 1989
・ Gastric brooding frog (Rheobatrachus vitellinus and R. silus) Australia - last seen in 1985
・ Mesopotamia Beaked Toad (Rhinella rostrata) Colombia - last seen in 1914
・ Jackson's climbing salamander (Bolitoglossa jacksoni) Guatemala - last seen in 1975
・ African Painted Frog (Callixalus pictus) Dem. Republic of Congo/Rwanda - last seen in 1950
・ Rio Pescado Stubfoot Toad (Atelopus balios) Ecuador - Rediscovered!
・ Turkestanian salamander (Hynobius turkestanicus) Kyrgyzstan/Tajikistan/Uzbekistan - last seen in 1909
・ Scarlet frog (Atelopus sorianoi) Venezuela - last seen in 1990
・ Hula painted frog (Discoglossus nigriventer) Israel - last seen in 1955
・ Sambas Stream Toad (Ansonia latidisca) Borneo - last seen in the 1950s


ADDITIONAL SURPRISES & REDISCOVERIES

INDIA
- Five species were rediscovered in India as part of the “Lost! Amphibians of India” campaign coordinated by the University of Delhi, Global Wildlife Conservation, Natural History Museum, A V College , ASG and CI. The campaign is expected to continue through the end of the year. (The five species rediscoveries are being announced today for the first time).
More at: www.lostspeciesindia.org

・ Chalazodes Bubble-nest Frog (Raorchestes chalazodes) Last seen in 1874! Rediscovered after 136 years.
・ Anamalai Dot-frog (Ramanella anamalaiensis) Rediscovered after 73 years.
・ Dehradun Stream Frog (Amolops chakrataensis) – only known from the original description of a single specimen in 1985. Redisovered this year after 25 years by a team of graduate students from Delhi University: Sonali G, Gargi S and Pratyush with Robin Suyesh, Rachunliu G Kamei and SD Biju.
・ Silent Valley Tropical Frog (Micrixalus thampii) Last seen 30 years ago and rediscovered in rubbish bin in a field station in Silent Vallery on a fieldtrip following the launch of the LAI campaign in Delhi.
・ Elegant Tropical Frog (Micrixalus elegans) Known only from the original description based on a collection in 1937. The original specimen was subsequently lost and the species evaded detection until it was rediscovered after 73 years by KV Gururaja, KP Dinesh and SD Biju in a forest stream-bed at the original collection area.

HAITI - Six “lost” species surprisingly rediscovered in Haiti (announced in January 2011). These were not on the initial list of 100, but were found during the search for another lost species. They had not been seen in close to two decades.

・ Hispaniolan Ventriloquial Frog (Eleutherodactylus dolomedes) – last seen in 1991
・ Mozart's Frog (E. amadeus) – last seen in 1991
・ La Hotte Glanded Frog (E. glandulifer) – last seen in 1991
・ Macaya Breast-spot frog (E. thorectes) - last seen in 1991
・ Hispaniolan Crowned Frog (E. corona) – last seen in 1991
・ Macaya Burrowing Frog (E. parapelates) - last seen in 1996

COLOMBIA - Three potentially NEW species were found in Colombia (announced in November 2010).

・ New species of beaked toad – genus Rhinella
・ New toad species – genus undetermined
・ New species of rocket frog – genus Silverstoneia


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エクアドルとインドに関連する画像はこちらhttp://bit.ly/eWLU3u

キャンペーン全体に関連する画像はこちらhttp://bit.ly/dUvxMf

ビデオクリップはこちらftp://mediaguest:conservation2@visual.conservation.org

*使用条件*
画像は“失われた両生類を探して”キャンペーンの宣伝用にのみ、1回に限り無料にてダウンロードいただけます。
なお、素材クレジットとして、以下を入れて下さい。

コンサベーション・インターナショナル(CI) 提供複製・転売禁止


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米国本部のお問い合わせ先:
Patricia Malentaqui, International Media Manager, Conservation International
Office +1 703 341-2471 / mobile +1 571 225-8345 / p.malentaqui@conservation.org

デリー大学のお問い合わせ先:
Professor SD Biju, Dept of Environmental Biology, Systematics lab, University of Delhi
Office: +91 11 27662365 / mobile: +91 9871933622 / lostamphibians@gmail.com

日本国内のお問い合わせ先:
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 磯部、白井
電話 :03-6911-6640
e-mail :ci-japan@conservation.org


IUCN A両生類専門家グループ (ASG) – IUCNのASGは生物学的多様性、両生類とその生息地の保全の実践的プログラムを世界中で実施しています。世界的な両生類保全の目的を達成するために、資金調達、キャパシティビルディング、技術移転を拡充させるための世界規模のネットワークに支えられ、ミッションを達成しています。 www.amphibians.org

Global Wildlife Conservation (GWC) – GWC は、保全の調査や取り組み、教育に対して、学術的応用アプローチを用いて地球上の生命を支える活動を行っていまっす。世界規模の戦略的パートナーとともに、自然界と生物多様性について、よりよく理解し、維持できるよう努め、野性生物を絶滅から守るという共通の目標を目指しています。 www.globalwildlife.org

デリー大学-1922年創立の名門の大学であり、研究と教育では最高水準を誇る名門大学である。インドの副大統領が総長を務める。 http://www.du.ac.in なお、今回の調査では、環境生物学部の研究室が協力している。 http://www.frogindia.org/