「グリーン・ウォール」の創生 グヌングデ・パングランゴ国立公園 住民参加型森林再生プロジェクト 現地からのお便り【2013年8月1日】
 
 
 
森林再生事業の進捗
4月から6月にかけて、降る雨がだんだん少なくなってきました。乾季の始まりです。

プロジェクトに参加している地元の農家と一緒に、これまでに苗を植えた250ヘクタールの植林地の世話を続けています。木を覆って枯らしてしまうこともあるツル植物の除去や、植林地の状態の記録がこの時期の主な活動です。

厳しい季節である乾季を若い木々が生き延びてくれることを願っています。​

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コミュニティ・アグロフォレストリーの開発
プロジェクトに参加している農家の多くは、一ヶ月の世帯収入が5千円に満たないという貧しい状態にあります。収入の大部分をキャッサバという一つの作物に頼っていたため、キャッサバの生育や買取価格に影響されて、収入がさらに減ってしまう時期もありました。そのような状況下で生きていくために、森を拓き、新たに農地を広げるという選択肢がとられていました。

森を再生し、守る。そのために必須なのが、森の近くに暮らす人々の生活を豊かにし、彼らにその生活が森の恵みによって支えられていることを知ってもらうことです。プロジェクトで進めている代替生計手段の開発は、そのための取り組みです。畑で獲れたたくさんのインゲンは、生活を豊かにするための農家の新たな収入源となっています。

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同じく、淡水魚の養殖も、農家の収入源を多様にし、生計を安定化する目的で取り入れられました。水源地である森のすぐ近くに暮らしながら、その恩恵である水を得るのに苦労していた住民たちにとって、昨年のプロジェクトで設置された水源からのパイプは、生活を大きく変えるものでした。パイプが運んでくる水は、飲み水としてはもちろん、長い間水の枯れていた養殖池を満たすのにも使われました。

その養殖池に放した稚魚が無事に大きく育ち、すでに農家の生活を支え始めています。森の恵みで森の近くに暮らす人々を豊かにし、森を守るという、とても良い事例です。​

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「グリーン・ドクター」と移動環境教室
4月から6月の3ヶ月、私たちは保健師さんと一緒に4つの学校を回りました。

子供たちは、自然を守ることの大切さを歌やゲーム、クイズ、ビデオ、本を使って楽しく学び、保健師さんから健康や衛生についてのお話を聞きました。

インドネシアでは水道や下水設備が整っていないため、生きてくために必要な水を確保して、病気にならない衛生状態を保つには、まだまだ努力が必要です。また、自然の仕組みを知り、自然の力を上手に生かすことも重要です。自然と健康。切っても切り離せない問題を子供たちは学んでいます。

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キキとサデワ、森に帰る
キキ(メス)とサデワ(オス)は、ともに13歳。ジャワギボン(テナガザル)のつがいです。2008年にジャワギボンセンターに保護されるまで、スカブミ県でペットとして飼われていました。最初は森で生きる術を持たなかった2匹ですが、ジャワギボンセンターでの5年間のリハビリを経て、すっかり野生のジャワギボンらしくなりました。木から木へと移ったり、果物を採って食べたり、ジャワギボン同士で関係性を築いたり、鳴き声でコミュニケーションしたりしています。

そして6月、2匹は、グヌングデの森に帰りました。

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