生物多様性と気候変動
© CI/photo by Haroldo Castro
 
はじめに
今日、最も深刻な環境問題として生物多様性の喪失と気候変動問題があります。生物多様性の保全と、気候変動対策は密接に関係しています。
過去にも火山の噴火や海洋の変動などにより気候変動が起こってきましたが、現在起こっている気候変動は人為的な要因が大きく作用しています(IPCC 2007)。化石燃料の使用、土地利用の変化などの人間活動により二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの大気中濃度が上昇し、平均気温の上昇、海面水位の上昇などが観測されています。生物の活動に大きな影響を与える気温や降雨パターンが変化していけば、将来的には多くの種が絶滅の危機にさらされます(IPCC 2007

 

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気候変動は生態系やそれが支える生物多様性に様々な影響を与えますが、特に大きな改変を迫られているのは森林生態系です。京都議定書において、森林は森林管理によって炭素吸収源となるとされています。しかし、森林生態系は土地利用の対象になることから、炭素吸収源であると同時に炭素排出源にもなりうるのです。
気候変動が生物多様性に与える影響を見てきましたが、ここでは、生態系サービスを受け取る立場から、変動する気候に生態系を適応させる手法を検討します。生物多様性保全活動の最終的な狙いは、生態系のかく乱などに対するレジリエンス(負荷がかかった後の生態系の回復力)を高め、人間が享受している生態系サービスを保持することです。そのためには