<お知らせ>
●自然資本プロトコルの概要版(日本語)を公開しました。リンクはページ一番下にあります。(2016年3月25日)

自然資本プロトコル国際シンポジウム

ci_12103634.jpg 

生物多様性条約の愛知目標、そしてリオ+20を契機として、自然資本を国家や企業の会計や経営に盛り込む取り組みが国際的に活発化しています。自然資本と経済の関連の認識の高まりに合わせ、自然の財産、もたらされる便益、経済との関係について、体系的に把握する努力が続けられています。

 コンサベーション・インターナショナル・ジャパンでは、2014年2月に環境省とともに、国内外で自然資本経営の先進例を紹介する国際シンポジウムを開催し、国内外の先駆的な取り組みを紹介しました。それ以降、世界でもっとも重要な動きとしては、ビジネスの自然への影響と依存度を評価する、標準化されたアプローチである「自然資本プロトコル」の開発が挙げられます。
 自然資本プロトコルは、自然資本コアリションの取り組みの成果です。自然資本コアリションは、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)と国際自然保護連合(IUCN)が主導する二つのコンソーシアムの下で、ビジネス、会計事務所、コンサルタント、金融機関から世界の先端機関を集め、自然資本プロトコルと食品・飲料とアパレルのセクターガイドを作成し、ビジネスと共にプロトコルの開発と試行に取り組んできました。

 本シンポジウムでは、自然資本プロトコルの作成で中核的な役割を担っている方々から発表いただき、持続可能な世界に向けた自然資本経営のあり方について議論しました。

日時: 2016年2月15日 13:30~17:00
会場: 国連大学エリザベス・ローズ会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70)
言語: 日英(同時通訳)

共催: 一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパン(CIジャパン)、自然資本コアリション(Natural Capital Coalition)
後援: 環境省
協力: 持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)、地球環境基金
参加者:75名

■プログラム

13:30
開会挨拶
CIジャパン代表理事 日比 保史

13:35
「自然資本—世界の流れ」 *pdf
CIジャパン生態系政策・企業連携 マネージャー
名取 洋司

13:45
「なぜ今、自然資本か?」 *pdf
国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)特別顧問
末吉 竹二郎 氏

14:10
「自然資本コアリション(Natural Capital Coalition)の取り組み」
*pdf
自然資本コアリション・エクゼクティブディレクター
マーク・ゴーフ 氏

14:40
「自然資本プロトコルとは?」 *pdf
コンサベーション・インターナショナル、自然資本プロトコル開発・技術リード
ロズマリー・ポーテラ 氏

15:10
休憩

15:25
「TATAの取り組み」 *pdf
インドTata社 持続可能性グループ・ゼネラルマネージャー
アルカ・アパディハイ氏

15:50
ディスカッション

モデレーター 三井物産戦略研究所 本郷尚 氏

16:50
総括
マーク・ゴーフ 氏、日比保史

17:00
閉会        

■開会挨拶/CIジャパン代表理事 日比保史

“自然資本”という考え方がどのようにでてきたのか、その背景について話しをした後、ここ数年、人口急増や経済成長、また気候変動やその対策など、世界の状況が大きく変化していることにより、生物多様性の問題と経済との関わりを考慮する必要性が一層出てきたことを指摘。自然資本とは、地球環境問題全般のみならず、貧困削減、人権など、経済・社会が成長していく上で、さまざまな制約要因が顕在化する中で持続可能な社会を作っていくための考え方を提示するものである、と強調。

後援者挨拶/環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性施策推進室室長 堀上勝氏
自然資本プロトコルへの期待。環境省が作成している「生物多様性民間参画ガイドライン」の紹介。さらに、生態系サービスの価値評価の見直し、また森里川海をつなげるといった、身近な自然をつなげる、活用するための国の政策についても紹介。

■基調講演
「なぜ今、自然資本か?」/国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問 末吉竹次郎氏

地球規模の問題はすべて“経済/ビジネス”の問題である、更には、産業構造、国の在り方の問題であるということで、ニコラス・スターン卿による「気候変動と経済学」から始まった、生物多様性の貨幣的な価値化の流れについて紹介。自然がもたらす価値の損失とそれを食い止めるための費用の価値ギャップを指摘。そして、パリ協定の「排出実質ゼロ」の採択の重要性と、事実上法的拘束力のある合意であることを指摘し、日本の姿勢について警告。脱炭素社会への道、そのためのカーボン・プライシングの実行への期待(世界40カ国では既に取り組み開始、今後、中国も予定)や、企業自身の投資判断にもカーボン・プライシングの制度が始まっていることに言及。

■自然資本コアリションの取組み/自然資本コアリション・エグゼクティブディレクターのマーク・ゴーフ氏

自然資本コアリションのメンバーおよびこれまでの取組みの紹介。自然資本プロトコルについて原則と枠組み、およびセクターガイドを説明。54社のパイロット企業により、プロトコルを試していることを紹介。さらに、政策面の環境整備やデータの役割、協働の利点についても言及。

■自然資本プロトコルとは/自然資本プロトコル開発・技術リード コンサベーション・インターナショナル ローズマリー・ポーテラ氏

ゴーフ氏の概要説明を受け、自然資本プロトコルの内容について、具体的なステップやビジネスへの適用についての、より技術的な説明。

■TATAの取り組み /インドTATA社の持続可能性グループ・ゼネラルマネージャーのアルカ・アパディハイ氏

すでに自然資本プロトコルの草案を試験的に導入している同社の取り組み内容について紹介。グループ内の3社における、自然資本プロトコルの活用事例を報告し、ゴーフ氏、ポーテラ氏の説明を補完。直面している課題と対策について紹介。

■ディスカッション

三井物産戦略研究所の本郷尚氏をモデレーターに迎え、全登壇者とともに、「自然資本の考えをいかに経営層に働きかけるか?」「自然資本プロトコルをどう利用していくか?その方向性など」「国の政策とのかかわりについて」を3つの柱に、質問形式での討論が行われた。

<アパティハイ氏に対して>
本郷氏:なぜTATAは成功できたのか?経営者はどう考えて、これまでのような先進的な取り組みを実施できたのか?
アパティハイ氏:2008年に、気候変動への明確な認識により、環境に対し何をすべきか?今取り組まれなければならない取り組みについて社内で検討を始めた。TATAグループでは各社での取組の内容判断は自由であり、TATAはエネルギー集約型の企業、化学、発電、鉄鋼などビジネスとして天然資源を多く使っている認識があったので、環境問題のビジネスへの影響について、2008年から評価を開始した。そこから7年かけて、2020年までの5年間のビジョンを作成し、目標が明確に定義された。TATAの取り組みはこれまで多くのメリットをもたらしてきた。世界銀行のIFC投資を適応されているので、低い金利で融資を受けている。TATAの一つ大きな問題は、水管理の問題があった。ISO14001導入、2012年には、水利用の影響を見たうえで、事業が依存している自然資本の洗い出しを行った。持続可能な経営については、グローバルカウンシルにより、経営陣に理解を広め、方針を作成していった。下部組織として、専門家グループも形成され、評価を実施している。

本郷氏:自然資本に関して、経営陣はリスクマネジメントというより、“ベネフィット”として認識しているということか?

アパディハイ氏:リスクマネジメントという観点もあるが、カーボンプライシングなどシャドウプライスを見込んだうえで総合的に判断している。

<ゴーフ氏に対して>
本郷氏:「いかに経営層に働きかけるか、戦略やヒントなどがあれば、教えてほしい。」
ゴーフ氏:「プロトコルは技術的に導入する人がまず理解するべきものであるので、決してそのまま経営層に見せてはいけない。経営にとっては、資産を考える際に、依存度や今後の見通しなどの観点から経営判断になるので、自然資本を「資産」と考えること、そして、プロセスを簡素化することが大事だと考えている。例えば、建物を借りたら返す時にもとに戻す(補償)するが、それが土地(土壌)の場合には汚染したからといって同様のルールが適用されていない。自然資本プロトコルは、自然にもこうしたルールを導入しようというものである。そうした場合、土壌をサンプリングし、質を測定する。貸主には、適切な管理ができるということを証明してもらう。もし期間中に質が落ちたら補償してもらう。もし、逆に質が改善されるようなことがあれば、延長できる、というようなメリットを生むための手法である。自然資本プロトコルは見えない価値を可視化するものである。」

<ポーテラ氏に対して>
本郷氏:「自然資本がなぜ大事なのか?科学者として経営陣に説明するとしたら、どう説明するか?」
ポーテラ氏:「私は土木工学が専門であったが生態経済学で博士号を取得し、ここ10年間は応用科学の部分で仕事をしてきた。単に科学ではなく、方法論、最終的にどうメリットをもたらすか?ということである。どう自然の価値を科学的に計測できるものにしていくか、目に見える形で意思決定に影響させるかという例では、ペルーにおけるプロジェクトの事例がある。それは、公共セクターの観点(水力発電の建設予定)による国連環境・経済統合勘定(SEEA)の実施であった。アマゾン地域において自然がもたらすメリットはどこから発生していて誰が利用しているのか?という観点で、土壌や水の保有量、流れなど計測していった。こうした定量化、測定が大事である。」

<日比氏に対して>
本郷氏:日本で実行していく上で日本企業にとっての課題とは?
日比氏:日本企業に限らず、簡単なことではないと思うが、海外企業の事例をみると、経営層の理解の深度が日本とかなり違うと感じられる。そうした違いが起こるのはなぜなのか、私もわからないが、各業界では、競争も激化し、グローバルになっている。そこで「グローバル」をどう考えるか?つまり、様々なリソースも含めて競争が起こっているということだと思う。自分たちのビジネスを支えているのは何か?それらのサステナビリティが維持されることがどう自社に結びついているのか、真剣に考えることが必要だと思う。例えば、末吉さんの話しにも出たが、パリ協定の合意は、非常に画期的・革命的な取り決めだったにもかかわらず、一部日本企業や政府の見解では、法的拘束力の部分だけに着目したような狭義的評価があったが、先進的な企業や国ではこれはゲームチェンジの始まりなんだという捉え方をしていた。日本企業の強みを考えると、TATAのように、社内のおける環境チャンピオンを育てていくなどは、日本企業も参考になるのではと思う。

(会場からの質問に対して.)
Q1「定量化が目標になっているが、本当にできるのか?定性的な評価についてどう考えたらよいのか?」
Q2「普遍的な判断があるのか?または国や企業によって個別的な判断基準があるのか?」

ゴーフ氏:「プロトコルによって、意思決定をする際により良い意思決定ができる。かつて見えなかったものが可視化されるになることによって、よりよい判断ができるようになるということである。見えない価値があるということはそこにリスクが潜んでいるということである。プロトコルによって、潜在的なリスクがわかる。また、すべてを貨幣価値で把握することによって、他の要素と比較検討しやすくなる。TATAの事例で示されたように、ほとんどのパイロットプロジェクトでは貨幣価値によって評価している。しかし、貨幣価値化することが目的ではない。そこから得た知見を意思決定に生かすことが前提である。但し、正確な数字にこだわりすぎないことが大事。例えば水の価値をすべて把握することは難しいが、その重要度の程度を理解することは可能だろう。状況の変化を数値によって知ることが意思決定の指標になる。自然資本コアリションではプロトコルの作成において、意思決定者や標準化に携わる人々など財務関係者などあらゆる部門の参加を大切にしている。各要素の関係性が明らかにならないと穴がでてきてしまう。世界でも、チェスのように、三手先を考えて今を決めるという観点で考えていることをビジネスの判断にしていこうということである。」

ポーテラ氏:「かならずしも全て貨幣的価値化する必要があるとは思わない。もちろんそうしたほうが良い場合もあるが、データは使われないと意味がない。貨幣価値化においては、具体的な状況を把握したい場合は重要だが、具体的なイメージがなければ、お金と時間を使って数値化しても意味がない。依存度を低中高といったレベル分けするだけで良い場合もある。トレードオフを考える必要がある。ある場所を測定して際に、ある場所にはメリットでも他の立場にとってはデメリットになりえる場合もある。」

本郷氏:「TATAの価値観・判断基準は、グローバルで使える普遍的なものであるか?」
アパディハイ氏:「まず、最初の質問に答えたいと思います。定性的判断だけでも良いのではないかという意見もあると思う。企業は自然資本だけをベースに成り立っているだけではないので、我々も水管理、炭素管理だけに注力するわけでなない。様々な要素があり、多角的に見ていかなければならない。その中で共通の母数を見出して、それぞれの価値を評価することが、全体的な価値に繋がっていくと思う。つまり、より良い意思決定をしていくということである。もっと粒度の高い予測をしたい場合はやはりある程度定量的な評価が必要であるが、それは必ずしも貨幣価値化することを意味するわけではないと思う。企業にとってリソースを投入するべきか判断する場合は、貨幣価値化も有効である。貨幣価値化は外部要因を内部化する、メインストリーム化するために重要である。」

二つ目の質問に対して・・
「サステナビリティとは、色々な定義があると思う。TATAにとっては、ビジネスの文脈ですべての財務要素に対して、社会と同じくらいの重み付けで見ているが、これは言うは易し、行うは難しで、サステナビリティはコアではないので、文化的にマインドセットを行う必要がある。短期的ではなく、長期的な視点に立つべき。また、株主だけでなく、全てのステークホルダーのことを考えるべきである。例えば、コミュニティは顧客であるかもしれないし、従業員を提供してくれるかもしれないし、パートナーかもしれない、ということである。マインドセットの変化が必要だがすぐに起こるものではないので、種まきが必要。そして、そのモニタリングが必要である。」

本郷氏:「いくつか「チェンジ」と言う言葉が出てきた。国や政策とのかかわりが大事だと思うが、どうか?」

ゴーフ氏:「政治はシステムのレベルで動く。どういったものがどうつながるかということを見ていかなければならない。自然資本のアプローチは政策決定にうまく適合していると思う。なぜならシステムを理解するという意味でとても適合しているからである。政策決定者だけで政策を作っても、意図された通りに働かない例はいくつもある。国によって、マッチするやり方を考えなければならない。できればテンプレートを作って、国ごとに調整するような使い方ができればよいと思う。インドネシアの大臣に話したときに、このプロトコルを使用する法案を作ればよいじゃないかと言う意見が出たが、それは違っていると思う。それでは、コンプライアンスの問題になってしまい、期待度が低くなると思うからである。将来的にはそうなるかもしれないが、現時点では、それでは活動自体がだめになってしまうので賛成できない。政策決定者だけでなく、ビジネスや関係者が全員参加して作っていくことが大事だと思っている。

ポーテラ氏:「一つわれわれが今考えているのは、どういう風にプロトコルが作られるか、官民のパートナーシップに役立つかということである。ともに持続可能な開発を行っていくために、影響や依存度を理解することができることができれば、より良い実行になる。いくつものアプローチやいくつものツールがある。」

アパディハイ氏:「自然資本は色んな要素を持っていると思う。ビジネスや依存度、各地域や国レベルの政策はすでにできているものがある。インドも同様だが再生エネルギーを30%に引き上げる方針も決まっている。年次報告書に自然資本をどう使っているか、効率をどう上げるか明記しなければならないと決まっている。生物多様性ホットスポットと言われる地域では、自然資本の側面を持っている政策は既にでている。法整備は既に進んでいると理解している。自然資本は色々な要素がある。」

日比氏:「そもそもそこの自然(資本)がなぜうまく管理されてなかったのかと考える際、それらが「公共財」であって市場の原理がうまく働かず、政策も機能しなかったということだと思う。財・サービスを産み出す基盤である自然資本は有限なものであるが、人間活動の量より自然の規模が大きかったので、公共財のように使っても成立できたが、人間活動が増えて自然が供給できる量の限界に近づいてしまった。そのために自然資本の適切な管理のニーズが出てきたと思う。そのためには企業の取り組みだけでは十分でなく、政策的に義務化する部分も役割も必要だと考える。両者があって始めて持続可能なしくみとして機能していくと思う。」

本郷氏まとめ
「自然資本は無限でなない。どう使うか、新しいルールが必要である。そのような中で、プロトコルというようなツールが出てきた。どう収益事業化するかということも大事。最終的にルールという意味では、政策も必要であり、既にできている部分もあるが、まだまだ走りながら作っていく段階なのだという印象を受けた」

Q5「今後のセクターガイド作成の予定は?」
ゴーフ氏:金融部門のセクターガイドは7月に発表される。自然資本宣言も予定されている。VBDO(The Dutch Association of Investors for Sustainable Development )とも開発を予定している。化学、不動産、炭素吸収機能を持つという視点での森林、そして水の利用、またセメント業界も重要と思っている。材料だけでなく、利害という視点も必要である。あるセクターのプロトコルやガイドラインを作成する場合には、そのセクターにいる方からの意見を聞き双方向の意見に基づいてプロトコルを作成していくことが重要だと考えている。また、ダウ・ジョーンズではサステナビリティ・インデックスがある。こういった中に自然資本もいれていくことになる。EUではそうした要件が出てきている。そうした財務報告の必要性が今後出てくる前提で考えている必要があると思う。」

Q6.「日本企業も参加したい場合は、どうすればよいか?」
ゴーフ氏:「私たちのウェブサイトに詳細がある。またCIジャパンへ問い合わせを。」

■総括
最後にマーク・ゴーフ氏と日比による対話形式の総括が行われた。

日比:「自然資本というと、「自然」とつくので、自然の問題を解決するためのものなのかというふうに理解されがちである。気候変動交渉や去年のSDGsが採択されたなどの背景から、自然資本プロトコルは、持続可能な開発のための手順を示すものといえるのでないかと思うが、自然資本の全般的な概念について、どのような可能性があると思うか?」

ゴーフ氏:「まず一番最初に言うべきなのは、人々は、我々が「自然」の価値を財務システムに入れたがっていると考えたがるが、実はその逆である。私たちは、自然を財務システムにマッチさせようとしているわけでなく、財務システムを自然にマッチさせようとしているということで、根本的な考え方を考える必要がある。ここが一番最初です。全てのものが生きるために自然に依存している。SDGs、パリ協定などたくさんの約束が決まったが、どうやればいいのか?という話がでる。そこにプロトコルは、HOWの部分を提供する。何をやるにせよ、貧困問題や健康問題を考えるときも、まず資源を見なければならない。そして自然資本はすべての元である。2020年までに先進的な企業は自然資本を意思決定にいれることになるでしょう。2030年までには自然だけなく、社会資本など「社会」という要素が加わるだろう。先進的な企業だけでなく、規制、ドライバーなど、サプライチェーンのおいてはまだまだやらなければならないことがあるだろう。2030年までにそれらは普通の事としてやるようになるだろう。」

日比:「経済の仕組みの中に「自然」をいれるのではなく、自然の仕組みに、経済をマッチさせると言う言葉を聞いて衝撃でした。先ほどの定量化の議論でもあったが、自然に貨幣価値をつけるという話ではないのだと話していた話に納得した。自然の持つ真の価値について、まだ十分まだ十分具体的に理解できていなかった。それを理解した上で、経済活動をして行こうと言うことだと理解しているが、それでよいか。」

ゴーフ氏:「メリットに対して、数字を意識することは止めた方が良い。正確な数字ではなく、幅を持たせる。それにより、意思決定につなげる。正しい情報を持つ、目に見える明確な形で情報を持つということが大事である。」

日比:「企業が進めていく際、まずはCSR部が取組むことになるが、経営層に理解を進める必要がある。どう経営層の理解を広めていけるか?そうした際に、プロトコルはどれだけ威力を発揮できるか?」

ゴーフ氏:「CSRというのはまだ歴史も浅く、今どんどん変わっている最中である。EUではSustainability Departmentという名前に変わっているところも多い。Corporate Responsibilityと呼んでいるところもある。今CSRは二極化していて、環境・社会に動いているところと、戦略に動いているところがある。個人的には戦略の方に動こうとしている。もし、CSRのプログラムを実行しようとする際にプロトコルをビジネスに当てはめる際は、自分たちでやるべきである。何か新しいことを見つけて、再度見直しを行っていくというプロセスである。CSRも原則はコアビジネスに関わらなければならないものである。自然に、CSRは会社の重要な一部になっていくはず。コアリションは、システムを見て、アドバイスを与える役目である。CSRでも良いし、地域Sustainabilityと呼んでも良いし、戦略オフィサーと呼んでも良い、肩書きは何でも良いと思うが、適切な役割を会社で見つけなければならない。そしてまず始めなければならない。」

日比:「最後に、日本企業に期待すること。日本企業が得意とする分野で貢献できそうなことは?」
ゴーフ氏:「世界中で今ムーブメントが始まっている。シンガポールでも始まっている。日本でもそうなるのではないかと思う。一番良い方法は、皆がいっぺんに一緒にやるということである。EUでは一社一社取組んでいる。先日ウォルマートが参加の意思を表明してきたがそれも一社である。しかし、グループで取組むことが大事だと思う。その方が支援を得やすいし、学びやすい。日本では、これまで品質改善の標準化やISOなど日本で発展させた歴史もある。日本は、やると決まったら必ず上手くやる。そしてリーダーにもなる。世界に対しての手本も見せてきた。もう自然資本への流れは避けることはできない以上、皆で取組むことが大切だと思う。」

<お問い合わせ>
CIジャパンセミナー事務局
Email: seminar@conservation.or.jp
Tel: 03-5315-4790


Publications Carousel - Individual Items

Module Configuration

EditSection title:資料
EditTitle Style:h1 h1__carouselHeading 1 Centered
EditAnchor tag:[Optional]

Column Items

Add a Column Item
Remove this module