海洋と気候変動
Young boy with fishing spear and starfish, New Ireland, Papua New Guinea.
© Roberto Rinaldi/npl/Minden Pictures
 
気候変動は、氷河が溶けることで、海流システムの変動や海水の温暖化、海面の上昇、また海洋の酸性化を通して、海洋全体に影響を与えています。これらの変化は、海洋生物や、世界中の人々が依存している海洋資源にとって、深刻な脅威となっています。
 
CIの気候変動チームは、あらゆる機会を活用して、現代で最も深刻である気候変動の問題に取り組んでいます。地域、政府、そして様々なパートナーと共に、世界中の重要な海洋区域における気候変動に対する脆弱性の評価を行っています。海草、マングローブやサンゴ礁など、危機に瀕している海洋生態系の健康状態を調べることで、我々のチームは特に気候変動の影響を受けやすい地域を判断し科学に基づいた保全策の提案を行います。
 
今日まで、これら地域評価の調査は、マダガスカル沿岸、スル-スラウェシ・シースケープ、そして東部熱帯太平洋シースケープにおいて行われ、それぞれが海洋保全努力を優先するための提案と解決方法を生み出しました。さらに、CIの海洋気候変動チームは、これまでの調査結果や最新の気候変動に関する情報を統合し、世界的規模での保全策を作成しています。


提案の例:

★海洋生態系が長期にわたって正常に機能するためには、地球の大気中の二酸化炭素濃度は、350ppmで安定されなければならない。これが450ppmになると(現在の排出量が続くと2030年から2040年頃には450ppmに到達する)、海洋の温暖化と酸性化、またその他の環境的な影響から、世界中のサンゴ礁は減少する。したがって、大気中の二酸化炭素濃度を350ppmに抑えるための研究が、早急に必要である。

★人類やその他の生物種が、気候変動によって引き起こされる海洋・沿岸生態系の変化を生き残るためには、迅速かつ充分な適応策が必要とされる。これらの適応策は、気候変動に起因する漁業管理、沿岸地域の計画・設計のほか、沿岸地域を侵食・暴風雨から守り、重要な水産業を支えるなどの多くの恩恵を私たちに与えてくれる、海草・マングローグ・サンゴ礁などの重要な生息環境の保護も含まなければならない。

★国際社会は、途上国における効果的な気候変動適応策を導入するために、迅速に多くの資金を集め、能力開発を行わなければならない。途上国は沿岸部において特に気候変動の影響を受けやすく、気候変動が漁業や海洋資源に及ぼす影響に対して特に脆弱である。これらの国において効果的な適応策を導入するためには、地域社会の大幅な能力向上が必要であり、能力開発は、短期的な活動への支援、技術移転、そして長期的な能力・機関強化への支援などを含まなければいけない。

★気候変動に影響さることなく各国が自然資源を維持するために、政治的合意と法的メカニズムが緩和されなければならない。例えば、気候変動による海面上昇の結果、排他的経済水域(EEZ)の境界を定める国土が少なくなったとしても、小島嶼開発途上国におけるEEZと、それに関連する権利は尊重され、EEZのサイズは海面上昇による国土減少に影響されることなく、以前と同じであるべきである。
 
★気候変動緩和策は、大気中の二酸化炭素濃度を直接的に削減すべきものでなければならない。エアゾールによる太陽線放射の削減など、二酸化炭素排出を直接的に抑制しない緩和技術では、昨今ますます深刻になる海洋の酸性化や、それに起因する主要な海洋生態系や、漁業などの海洋資源に対する深刻な影響に対処することができない。
 
★長期的な炭素隔離において重要な役割を果たす海洋生息環境は、その重要性が認知されて、気候変動緩和策の計算や政策、そして行動計画に組み込まれなければならない。沿岸海洋生息環境の劣化と喪失は、炭素隔離と気候変動緩和策の重要なメカニズムとして対応されなければならない。

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