イラン・アナトリア高原
​Zhinvali Reservoir, Georgia.
 CI/Photo by Olivier Langrand
 

イラン・アナトリア高原のホットスポットは、地中海沿岸地域と西アジアの乾燥した高原帯を隔てる自然の境界線であり、山々と盆地からなる生態系が、この地域の固有種の主な生息地となっています。およそ400種の植物が、二つの異なった植物相が交差する「アナトリア対角線」に沿って生息しています。トルコにある1200もの固有種の多く(4種の固有絶滅危惧種であるクサリヘビ含む)は、そのすぐ東側あるいは西側にのみ生息しています。



概説

イラン・アナトリア高原のホットスポットを形成している、地形的に複雑で、広範囲な山系、 閉鎖型盆地といった要素が、生態系と地中海沿岸地域の先住民族の文化、西アジアの乾燥した高原帯を隔てる自然の境界線を形成しています。

何世紀もの間、シルクロードは、イランとアナトリア高原の2つの地域をつなげるように、このホットスポットの東西を横切ってきました。ホットスポットの総面積は89万9773のkm²で、 トルコ中央部、東部の大部分、南グルジアの一部、 アゼルバイジャンのNahçevan 州、アルメニアの大部分、イラク北東部、イラン北部、西部、およびトルクメニスタンのコペットダグ山脈(Kopet Dagh Range)を含んでいます。

イランーアナトリア高原の高度は、 コペットダグ(Kopet Dagh)やザグロス山脈の西部の山麓、およそ標高300mの低いところから、トルコの休火山、アララト山(5,165m)とイランのダマバンド山(5,671m)など、5,000m以上に至るまで、また、アナトリア、アルメニア、およびイラン西部の高原も800m~2,000mまでと幅広いです。 歴史的には、山々は東地中海と西アジアの間で、退避地と回廊地帯の役目を果たしてきたため、その結果として、地域全体には、地域固有性が数多く、見られます。

気候は大陸性で、夏は暑く、冬は非常に寒くなります。年間降雨量は100mm~1000mmと大変バラつきがありますが、ほとんどは、春と冬に降っています。このホットスポットの主な植生は、西と南(アナトリア高原とザグロス山脈)に、オーク( Quercus spp.)が占める落葉樹林、 東(アルボルズ山脈とコペットダグの南側斜面)に、ジュニパー(Juniperus spp.)の森林が生い茂る、山間の森林ステップです。亜高山、高山帯の植生は樹木限界線より上の山頂までをカバーし、とげの生えたクッション性の構成物がその亜高山地域で見られ、トルコのCilo and Hakkâri 山脈の高山地帯では、永久凍土も確認できます。