インド西ガーツおよびスリランカ
Asian elephants (Elephas maximus) in Sri Lanka.​
© CI/photo by Haroldo Castro
 

急激な人口増加に直面するインド西ガーツおよびスリランカの森林は、材木及び農業用地としての需要により多大な影響を受けてきました。西ガーツ地方に残存する森林の多くは細かく分断され、スリランカでは元々の原生林のわずか1.5%が残るのみです。人口密度は保護地域周辺で増加する圧力と適応しており、その地域では多くの農民や木材伐採者、密猟者が不法に資源を利用しています。

毎年のモンスーンや高山地帯の影響も手伝って、このホットスポットには固有の植物や爬虫類、両生類が生息しています。スリランカには140もの固有の両生類が生息しています。この地域はアジアゾウやベンガルトラ、シシオザルなどの絶滅危惧種の生息地にもなっています。淡水魚の固有性も同様に非常に高く、140以上の在来種を有しています。









概説

インド南西部の西ガーツとスリランカ南西部の高原地方は400km離れていますが、その地質や気候、進化の歴史は驚くほど似ています。西ガーツは地元ではサフヤドリ連丘として知られており、マラバ平原とインド西海岸を平行に走る一連の山脈によって形成された約30-50kmの内陸地です。約160,000 km²の面積を持ち、その長さは、一部、幅30kmのパールガート峡谷によって分断されてはいるものの、インド南端から北部のグジュラートまで1600kmもあります。

スリランカは20mの深さのポーク海峡によってインド南部から隔てられている大陸島です。面積は67,654 km²あり、何度も続いた間氷期に度々インドと陸続きになりました。最近ではおよそ7000年前に140kmの幅の天然の陸橋により陸続きとなりました。

西ガーツは南西のモンスーン風を遮断することにより、半島型のインドの降水傾向に影響を与えています。山脈の西側斜面は豪雨を毎年経験しており(6月から9月までの南西のモンスーン期間中の降水量の80%を占める)、一方で東側斜面は乾燥しています。降水量も南から北へ行くにつれて減少しています。数十もの河川がこれらの山を起源としており、この中にはインド半島を東方向に流れる3つの主要河川も含まれています。このようにして、河川は飲料水や農業用水、水力発電の重要な源となっています。西ガーツの様々な降水パターンが、この地域の複雑な地形とともに非常に多様な植生を生み出しています。この植生には標高約1500mまでの地域には低地の雨陰地域と平原の落葉性の熱帯雨林地域が拡がり、標高1500m以上の地域には珍しいモザイク状の低木林やなだらかな草原が拡がっています。

スリランカの降水量はモンスーン風の影響を受け、島の大部分が年間2000mm以下と、比較的、降水量が少ないですが、南西部の湿地帯の降水量は年間5000mmにもなります。乾燥常緑林が乾燥帯全体の大部分を占めている一方で、フタバガキが拡がった熱帯雨林は湿地の低地帯を占めており、220 km²もの熱帯雲霧林は最大標高2524mの中央高地に生き続けています。