スンダランド
​Eclectus parrot (Eclectus roratus), Sundaland, Bali, Indonesia.
© CI/Photo by Haroldo Castro
 

スンダランドの壮観な動植物相は、急速に成長する産業的林業の普及や、他国で食用・薬剤源としての価値が認められているトラ、サル、カメ種などを狙った国際的な野生生物取引の結果、深刻な危機に直面しています。このホットスポットにしか見られないオランウータンの個体数は、劇的に減少し、東南アジアのサイ2種にとっての最後の避難所が、ジャワ島とスマトラ島に確認されています。熱帯地域の多くで見られるように、森林は商業用途のために減少しつつあります。特に、ゴム、アブラヤシ、紙産業は、スンダランド・ホットスポットの生物多様性が直面する弊害要因(有害勢力)のトップ3となっています。




概説

スンダランドのホットスポットは、インド・マレー半島の西側半分を覆う地域で、約17.000もの赤道直下の島々からなり、なかでも、主要な島は、ボルネオ島(725,000 km²)とスマトラ島(427,300 km²)で、世界で最も大きな島のうちの2つとなっています。100万年以上前は、スンダランドの島々はアジア大陸とつながっていましたが、更新世の海面変化に伴い周期的にこのつながりが消滅し、ついに現在のように分離した島々になりました。このホットスポットの地形は、スマトラ島とボルネオ島のような、海抜4101メートルものキナバル山を擁する起伏の激しい山岳地域から、かつては23もの活火山が割拠し、肥沃な火山性の土壌を持つジャワ島やバリ島まで、多岐に渡っています。そして、2189メートルもの花崗岩と石灰岩の山々が、マレー半島の骨格を成しています。

政治上スンダランドが占める範囲は、タイ南部のほんの一部(パッタニー県、ヤラー県、ナラティワート県)、マレーシアのほぼ全域(マレー半島ほぼ全域と、ボルネオ島北部にある東マレーシアのサラワク州とサバ州)、マレー半島先端のシンガポール、ブルネイ、そして多様性の宝庫に富む国、インドネシアの西側半分、カリマンタン島(ボルネオ島)のインドネシア領、スマトラ島、バリ島 また、インド管轄であるニコバル諸島も含まれます。

スンダランドは、3つのホットスポットに隣接しています。スンダランド・ホットスポットとその北西にあるインドービルマ・ホットスポットの間の境界線を、ここではカンガーーパッタニー(Kangar-Pattani)ラインとしますが、この線がちょうど、タイーマレーシア国境を横切っています。また、スンダランド・ホットスポットのすぐ東にはワラセアが位置し、かの有名なウォレス線によって分断されています。また、同じくホットスポットのすぐ北東側には7100もの島々からなるフィリピン・ホットスポットが存在しています。

低地の熱帯雨林には、フタバガキ科の巨木がそびえたっています。砂や岩の海岸線の入江には海岸林が生え、泥の混じった海岸にはマングローブの森で縁どられ、内陸に入ると広大な泥炭湿地林が広がっています。いくつかの場所では、古代の隆起サンゴ礁が、土壌中に含まれる高濃度のカルシウムとマグネシウムに強い特殊な森林を支え、貧栄養な第三期の砂岩でできた尾根部分にはヒース林が発達しています。より標高が高くなると、深い苔、地衣類、蘭が茂る山地林が広がり、さらに高地では、藪のような亜高山性の森林がシャクナゲで覆われるようになります。山頂付近では、岩ばかりになり、その他の植生はほとんど見られません。