アフリカの角
​Desert scrub of Somalia.
© John Adams CB MVO/Minden Pictures
 

乾地性気候のアフリカの角ホットスポットは、何千年もの間、生物的資源の宝庫として知られてきました。乾地性気候にある2つのホットスポットの1つであり、ベイラやディバダグ、スペックガゼルのような絶滅危惧種で固有のアンテロープ種やアフリカのどの地域よりも固有な爬虫類が生息しています。その他独特な固有種には、ソマリノロバやマントヒヒなどもいます。しかしながら残念なことに、世界で最も破壊が進んだホットスポットでもあり、原生の生態系地域のうちすでに95%が失われています。

破壊の最も大きな要因が過放牧であり、政府の管理が機能しないまま、木炭が収穫されることもまた大きな問題になっています。 






概説

アフリカの角は何千年もの間、生物資源の宝庫としてよく知られてきました。古代エジプト人、ギリシャ人、ローマ人はフランキンセンスやミルラ、その他、自然由来の日常消耗品を求めて使節やキャラバンを送り、アラビア砂漠を通過して、香料交易路に沿って、北部に戻ってきました。このホットスポットは、乾燥した“角”やエチオピア高地の東部を中心に、エチオピア高地を、北東ケニアの乾燥した低木林地帯とアラビア半島の南の沿岸地域に、大きく二分する、リフトバレーを含んでいますが、 政治的には、ソマリアの大半、ジブチ全体、エチオピア、エリトリア、ケニア、イエメン、オマーン、および極東スーダンのごく一部も含んでいます。 その他、北東ソマリアの沖合いのソコトラ諸島と、紅海の数百もの小さな島々も含まれています。

ホットスポット全体は150万km²以上もの面積ですが、比較的大きな土地の割には、植物相が非常に限られており(例:ダナキル窪地)、固有の植物の多くは、その地域のほんの限られた場所でしか生息していません。また、ここの優先種はアカシアーコンミフォラの低木林ですが、他にも、常緑の低木林と多肉植物の茂る潅木地帯、乾燥常緑の森林、半砂漠性の草原、低く発達した砂丘と岩のなどの幅広い植生が広がっています。その他、小規模のマングローブは、ホットスポットのアフリカ側とアラビア側の両地域だけでなく、ワベ シャベル(Wabe Shabelle) 川とアワシ(Awash)川のような大きな河川沿いにもその植生が確認できます。

“アフリカの角”は完全に乾燥したホットスポット2箇所のうちの1つです。(もう1箇所は西アフリカのカルー多肉植物地域)これら2つの乾燥した地域 は、更新世の時代の乾燥した低温な時期の間と、おそらく第三紀の初期に、“乾燥回廊”(arid corridor)によってつながったと考えられています。顕花植物種のいくつかは、例えば、キセニア(Kisseni)は、乾燥した“角”地域に1種、カルー多肉植物地域に1種、ウェルステディア(Wellstedia)は、 乾燥した“角”地域に6種、カルー多肉植物地域に1種、というように、完全にこれら2つの地域に限定して生息しています。