ケープ植物相地域
​King Protea flower (Leucospermum cyranoides) in the moutains and coast between George and Mossel Bay, Cape Floristic Province, South Africa.
© CI/Photo by Haroldo Castro
 


山火事に強い常緑の低木地帯は、世界で5つある地中海地域のホットスポットのうちの一つ、ケープ植物相地域の風景の特徴を現しています。世界の非熱帯地域の高等植物の植生地としては世界屈指であり、ホットスポット全体が『花の王国』を形成しています。南アフリカの12の固有植物系のうち5つと160種の固有種が生育しています。

ホシャブガメ、南アフリカマミジロミツドリや数々のアンテロープは、ケープ植物相の特徴を表しています。



概説

アフリカ大陸のはるか南西端の海岸線に沿って延びている、78.555 km²のケープ植物相のホットスポットは南アフリカの国境地帯の内側全体に位置しています。これは、ホットスポットのリストのうち、5つの温暖な地中海性気候地域の一つであり、『花の王国』を形成する2つのホットスポットのうちの一つです。(もう一つはニューカレドニア)。

ケープ植物相地域の植生は、フィンボス(アフリカーン語で"細い木"という意味)、いわゆる、岩でゴツゴツとし、砂っぽく栄養不良の土壌でも成長する、葉つきが硬く、常緑で、燃えやすい低木からなる灌木地帯です。この地域は緑豊かな熱帯雨林にかつては覆われていましたが、1500万年前頃の気候変動により、後退し、木々は、燃えやすい硬葉植物に取って代わり、定期的に火災が発生することが、生態系プロセスの中で、欠かせないものとなりました。

ケープには、非フィンボスの植生も含んでいます。これらのうち、レノスターフェルド(アフリカーン語で“草原のサイ”を意味し、以前は生息していたが、現在、この地域では絶滅している、クロサイ:Diceros bicornis がいたことを意味しています。)は、最も広大な面積を誇り20. 000 km²をカバーしています。この植物群は、低木の灌木層からなり、通常は草地が何層にも重なり、季節によっては 球根類が芽を出す、南アフリカ特有の常緑植物(Elytropappus rhinocerotis)が大部分を占めています。

今日、ケープ植物相の風景の中では木々が見られることは非常に稀であり、森林と呼べるものは面積にして3850 km²ほどしかなく、南部の沿岸の前地や山のふもとに近い傾斜面など、通常、湿度があり、火災に強い地域に見られるのみです。ケープ植物相の森林は、10~30mの高さがあり、本来は、熱帯アフリカ高山に見られる山地林の飛び地です。