第26回 国際ウミガメ・シンポジウム 始まる
 
 
(ギリシア・クレタ島)- 4月3日(月)より8日(土)までの1週間にわたり、ギリシアのクレタ島で、第26回 国際ウミガメ・シンポジウムが開催されている。国際ウミガメ・シンポジウムの地中海での開催は初めて。アフリカ、ヨーロッパ、アジアが交わる場所に、世界中から専門家が集結し、地中海、ラテンアメリカ、アフリカ、カリブ海、東南アジアとインド洋のそれぞれの地域で、ウミガメが直面している海洋および沿岸生態系の保全課題について議論を交わしている。

世界自然保護連合(IUCN)の種の保存委員会(SSC)・ウミガメ専門家委員会(MTSG)は、世界で最も危機的な状況にあるウミガメ・トップ10と、世界的にウミガメの死亡原因となっている5つの原因の緊急アセスメントを発表した。日本が関わる部分としては、太平洋のアカウミガメが挙げられ、日本での産卵上陸地の減少が指摘された。

世界で最も危機的な状況にあるウミガメ・トップ10 (産卵上陸地別) メキシコ、コスタリカ、マレーシアにおいて20年足らずのうちに90パーセント以上の減少 2.インド洋東部オリッサ州のヒメウミガメ

3.すべてのケンプヒメウミガメ

4.太平洋のアカウミガメ

過去25年間に90パーセント以上減少。特に、日本とオーストラリアでの産卵上陸減少が著しい。 5.地中海のアオウミガメ

6.東南アジアのすべてのウミガメ

7.大西洋のアカウミガメ

8.カリブ海のタイマイとアオウミガメ

9.大西洋東部と採集地のある南西部のアオウミガメとオサガメ

10.インド洋のタイマイ

ウミガメの7種のうち6種は、IUCNのレッドリストに「絶滅危惧種」として掲載されており、残る1種のヒラタウミガメも、「情報不足」とされている。ウミガメ専門家委員会(MTSG)による緊急課題アセスメントは、最も緊急とされたそれぞれの地域での保全活動が、ウミガメの絶滅を防ぐために重要であるとして活動を呼びかけた。

このアセスメントはさらに、現在、ウミガメの減少や地域的な絶滅の原因および生息数回復の妨げとなっている主な5つの危険を明らかにしている。

ウミガメの減少・絶滅の主な5つの原因

1.漁業の影響
実質的にどの地域のウミガメも漁業、とりわけ延縄漁法、刺し網漁、トロール漁などによっての影響を受けている。もっとも深刻な問題は、ほかの魚に混ざって捕獲されて死んでしまうこと、生息地の破壊、食物網の破壊など。

2.沿岸部の開発
沿岸部の開発によりウミガメの生息地の環境が悪化し破壊されている。産卵浜の環境悪化、海底の浚渫、大型船の航行、工事や植生の改変などの海岸線と海底の変化により影響を受ける。

3. 直接的な捕獲
世界中で、食料あるいはオイル、革、甲羅製品の材料として、ウミガメおよびその卵は、住民によって捕獲されたり殺さたりすることもある。

4.汚染と病原体
世界中で、プラスチックや捨てられた釣具・漁業用具、石油副産品、ごみなどを飲み込んだり、それらに巻き込まれたりすることが大きな脅威となっている。照明による害も産卵・孵化を妨害し、孵化までの死亡率を高めている。化学的な汚染はウミガメの免疫システムを弱め、病原体に対する抵抗力を低下させている。

5.地球温暖化
地球温暖化により異常気象などが頻発し、産卵浜や生息地などを喪失する恐れがある。

今年は、IOSEAの「国際ウミガメ年」。- IOSEAに参加する25カ国は、 3月1日からの1年間を「国際ウミガメ年」とし、深刻な危機に直面しているウミガメの保護を呼びかけている。このキャンペーンの名誉後援者である高円宮妃から、3月1日にバンコクのサイアム国際水族館で開催されたセレモニーに、ウミガメ生息地の保護や漁村コミュニティの保護への参加を期待するメッセージが寄せられた。

IOSEAのサイトはこちら(英語)