霊長類の約半数が絶滅の危機に直面 -生息地である森林の破壊と狩猟が主な原因
 
 
(8月5日 スコットランド・エジンバラ)- スコットランド・エジンバラで8月3日から8日まで開催されている第22回国際霊長類学会で、世界の全霊長類の634の種および亜種の約50パーセントが絶滅の危機に直面していることが発表されました。

このレビューは、5年にわたり数百人の専門家によって実施されたものです。世界ほ乳類状況調査の一部として実施されており、状況調査報告全体は今年10月にスペイン・バルセロナで開催の第4回IUCN世界自然保護会議で発表されます。

アジア地域では、70パーセントの霊長類が IUCNレッドリストのカテゴリーで絶滅の危機度の高い絶滅危惧I類(CR, EN)とⅡ類(VU)に分類されています。ベトナムとカンボジアは生息種数に占める絶滅危惧種の割合が90パーセント前後と特に危機的な状況です。

アフリカでは、13のレッドコロブスのうち11種が絶滅危惧I類であり、25年以上目撃情報のないブービー・レッドコロブスや、ミスウォルドロン・レッドコロブスの2種はすでに絶滅した可能性もあるといわれています。

霊長類にとっての主な脅威は、熱帯林の伐採などによる生息地の破壊や、食料や漢方薬あるいはペットとしての需要を背景とした違法取引目的の狩猟です。

「何年もの間、霊長類の絶滅の危機への不安は高まっていたが、データがそろい、状況がより深刻であることがわかった。熱帯林の破壊だけでなく、狩猟も大きな脅威であることも判明した」と、CIの会長でありIUCN-SSCの霊長類専門家グループ議長でもあるラッセル・A・ミッターマイヤーは述べています。

暗い結果の一方、保護の成果による回復も報告されています。30年にわたる保護によりブラジルのライオンタマリンや、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ共和国でのジャングルの保護によりマウンテンゴリラが、絶滅危惧IA類(CR)から絶滅危惧IB類(EN)に危機度が引き下げられました。2000年以降マダガスカルの40種を含む53種が新たに発見されており、また、2007年には、絶滅危惧IA類(CR)のオオタケキツネザルの新たな生息地が発見されました。

我々に最も近い種族で霊長類は、それを取り巻く生態系の健全性を維持する上で重要な存在です。かれらが食糧として消費した果実の種子などが排泄によって広範囲に拡散されることで、森林を形成する動植物の成長やそこに生息する動物の生活が支えられているのです。

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