CBD事務局長アフメド・ジョグラフ氏とCI理事ハリソン・フォードが共同記者会見
 

  名古屋(20101028) – CI副理事長で、俳優、環境活動家としても知られる、ハリソン・フォードが来日。名古屋で開催中のCOP10において、アフメド・ジョグラフ生物多様性条約事務局長、近藤昭一環境副大臣、ラッセル・ミッターマイヤーCI会長とともに記者会見を行い、“現在の環境危機を止めるためには、途上国、先進国どちらも国益ばかりにとらわれずに、地球規模の取り組みを行っていかなければならない”と訴えました。

 生物多様性条約締約国会議COP10では、生物の絶滅を止め、原生の自然を保全するための新たな目標を立てるため、193カ国以上の各国代表団が名古屋へ集まっています。8年前に設定された、“2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる”2010年目標は、いくつかの国では、進歩が見られましたが、グローバルなレベルでは達成されませんでした。

COP10は、まさに、次への大胆で野心的な目標 --自然を保護し、自然が提供する生態サービスを守るために -- 各国の環境大臣が協力し合うべき時期に来ています。” “今回下される決定は、私たちの惑星の環境の健全性だけではなく、すべての人、家族、そして国にも影響を与えるでしょう。”と、フォードは危機感を強めながらも、今回の会議で合意が得られることに強い期待を寄せています。

 CBD事務局長アハメッド・ジョグラフ氏もハリソン・フォードの参加を歓迎し、“COP10へのハリソン・フォードの参加は、アメリカ合衆国民を含む、世界中のあらゆる国民それぞれが持つべき生物多様性に対する責任を、地球の一市民としての象徴となる、強い政治的なメッセージである。”と述べています。

 記者会見の前日、日本政府は、途上国での保全の取り組みを支援する資金として20億ドル(1600億円)の拠出を表明(いのちの共生イニシアティブ)したことについても、フォードは“各国がこの地球と人類の未来への重要な投資をするための一つの希望になったと思う”と述べています。

 CBD-COP10へのフォード訪問の目的は、生物多様性の減少をくい止めるために、保護地域の適用範囲を増加させるよう、世界的指導者に促すことでした。 CIは、2020年までに地球の陸域面積の少なくとも25%と、海域面積の15%を保護下に置くよう、各国政府へ提案しています。 提案された指標は、国別の数値目標ではなく、何十億人もの人々にとって直接的な糧となる、重要な種や、生物、遺伝資源が生息・存在する生態系を守り、また、衣食住、収入源などを提供するのに必要な場所を保護することが出来る数字です。

しかしながら、現在、地球全体の保護地域は、陸域は約13パーセント、海域は1パーセント未満に留まります。

 CIのミッターマイヤー会長はこれについて、“保護区域を設定することは、最も効果的な保全手法です。これによって、私たち人間とともにこの惑星を分かち合っている計り知れない生命体を長期的に保全することができるのです。現在のところ、地球上の陸域の12.9%、海域については1%未満しか保護されていません。地球の生物多様性の保全にとって非常に重要な優先地域でありながら保護されてない地域も依然として存在しており、非常に大きな危険にさらされています。また、人間の生存に不可欠な生態系サービスを常時受けられるようにするためには、保護地域はさらに必要で、こうしたことを考慮すれば、私たちの掲げる数値目標は最低限であって決して多くはないのです。”とコメントを出しています。

 フォードは続けて、現存の生物多様性の宝庫を保全していくことは、簡単なことではありませんが、国際条約の締約国とその各国指導者たちは、その挑戦を受け入れなければなりません。自然が健全でなければ、人類が長期間に渡って存続していくことはないでしょう。と述べ、私たちの惑星と人類の未来という観点から、保護地域の価値を認識している人々が大勢いる。と、160カ国、16,000人以上の署名を集めた請願書についても触れています。

 また、17年前にクリントン大統領(当時)によって調印されながら、議会の承認を得られなかった点についても言及し、引き続き、生物多様性条約の批准に向けて、アメリカ政府に働きかけていくことを述べています。

 現時点でCBDを締結していないのは、アメリカ合衆国、アンドラ公国、バチカン市国だけです。

そして、“今こそアメリカ合衆国が真剣に取り組む時期です。問題は大きいが、時間は限られ、また、選択肢もありません。今こそ、行動を起こさなければなりません。”と締めくくっています。

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