パプアニューギニア、初の国立自然保護区を宣言 -キノボリカンガルーの生息する7万6ヘクタールの森を地元住民と共同で保全
 
 
(3月3日 ポートモレスビー/パプアニューギニア)- 地球上で最も多様なエコシステムを有する国のひとつ、パプアニューギニアにおいて、シンガポールよりも広い7万6千ヘクタールの原生熱帯林を永久に保護するための初の自然保護区「YUS自然保護区」が誕生しました。地元の35のコミュニティ、ウッドランド公園動物園(米シアトル)の生物学者、コンサベーション・インターナショナル(米バージニア, 以下CI)との長期の協力により実現しました。

YUS自然保護区という名前は、フオン(Huon)半島の3つの主要河川(Yupno、Uruwa、Som)にちなむもので、パプア・ニューギニアの北部沿岸から内陸山脈に広がる7万6千ヘクタールの熱帯林です。

この自然保護区は、さらに、クマに似た顔と長くふさふさの尻尾とカンガルーのような育児袋を持つ不思議な生き物で、絶滅が危惧されるキノボリカンガルー(Matschie's Tree Kangaroos)の生息地です。

また、熱帯林は大量の炭素を貯えるため、気候変動を引き起こす有害な温室効果ガスの排出を防いでいます。生い茂った森林エコシステムは命に満ち溢れ、YUS自然保護区周辺の村々のおよそ1万人の人々に、数え切れない資源とサービスを提供しています。このように、この保護区は、野生生物と人間の双方に多様な利益をもたらすものです。

「この国初の国立自然保護区を作ることで、パプア・ニューギニア政府と住民がここのかけがえのない生物多様性のために必要な安全地帯を生み出しました」とウッドランド公園動物園のフィールド保全ディレクター兼同園キノボリカンガルー保護プログラムディレクターの Lisa Dabek博士は言います。「この自然保護区は、重要な森林生息地を守ることにより、気候変動の脅威に取り組む長期的な貢献となる点も重要です。」

ウッドランド公園動物園キノボリカンガルー保護プログラム(TKCP)は、CIおよびナショナルジオグラフィックの支援を受け、同国の土地所有者と政府とともに12年以上にわたりYUS自然保護区設立に向けて貢献してきました。

YUS自然保護区は、1978年にパプア・ニューギニア自然保護区法が制定されてから本法のもとに設置される初めての国立自然保護区になります。 また、この地域の35以上の先住民族の村々が、彼らの暮らす森や彼らの文化と暮らしにとって極めて重要な野生生物とエコシステムを守るために、初めて共同で行動したものです。

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