「マダガスカル宣言」- アフリカの開発政策に自然価値への視点を
 
 
Defying Nature's End - The African Context
自然の喪失への挑戦-アフリカ-

持続的な発展のためには、生物多様性保全が不可欠 (アンタナリボ)- アフリカの貧困や疾病の削減に取り組むという大きなゴールを達成するためには、生物多様性とその社会・経済的価値を開発政策の基礎にするという根本的な考えかたの転換が不可欠であるとする「マダガスカル宣言」が、「自然の喪失への挑戦-アフリカ」をテーマに、6月20日から24日、国際環境NGO・コンサベーション・インターナショナル(以下CI)が開催した会議で発表された。

「マダガスカル宣言(以下宣言)」は、世界中でもっとも貧困や病気に苦しむ人々が多い大陸・アフリカへのいままでの援助や開発のモデルに対し、新たな提案を行うものである。

宣言は、アフリカ各国や国際連合・世界銀行のような国際機関は、アフリカの豊かな生物多様性を守ることが持続的な開発や貧困削減に必要不可欠な要素であると結論付けている。

さらに、生物多様性が、わたしたちに清潔な水と空気、食料、自然資源をもたらし、土壌の回復、花粉の媒介、その他のいわゆる生態系サービスを供給していることから、2015年までに世界的に貧困を削減するという国際連合のミレニアム目標をアフリカ諸国が達成するためには、このような自然からの利益がきわめて重要であり、「国家開発計画や外国援助戦略および外国投資において、環境と生物多様性への配慮が盛り込む大きな転換がなくては、ミレニアム目標を達成することはできない」と述べている。

宣言は、マダガスカル首相ジャック・シラ氏やジェフリー・サックス国連事務総長特別顧問兼ミレニアム・プロジェクト・ディレクターなどのシンポジウム閉会式に参加した来賓により、直ちに支持された。

サックス氏は、「正しい理解だと思う。ミレニアム目標とマダガスカル宣言の関連を素晴らしいと思う。もしもエコシステムの悪化がこのまますすめば、飢餓、疾病などから逃れることはできない。」と述べた。

この5日間で、会議への参加者は300人以上になり、新しい保護区の計画と赤道ギニアとリベリアの生物多様性戦略の発表で始まった。マーク・ラヴァルマナナ・マダガスカル大統領は会議を「環境保全と発展は同時に進めることができないという人は間違っている」という言葉で会議を始めた。

ほかのどこにも生息しないレムールやその他の動植物などを有するマダガスカルのユニークな生態系は危機に直面しているが、マダガスカル政府は保護区のいままでの3倍の600万ヘクタールに増やす政策を決定している。そのことから、今回、環境保護や国際開発のリーダーが会議を開催することに格好の場所だったといえる。

「このシンポジウムは、生物多様性を保全することがアフリカの経済発展の原動力となるとわたしたちが確信したことを検証した。いまこそ、わたしたちは、マダガスカル宣言を迅速で効果的な行動へとつなげていかなければならない」とミッターマイヤーCI会長は述べた。

宣言は、たとえばエコツーリズムやカーボン取引などのようなアフリカの自然のための市場を創設し成長させ、この大陸のもっとも価値のある資源から経済的利益を引き出すことを呼びかけている。

その他の必要な手段は:
保護区ネットワークを拡大・強化することにより、アフリカのもっとも重要な生物多様性を守ること。同時に保全信託基金のような持続的な資金メカニズムを創設すること

重要生態系システムを保護および回復させ、上流集水域森林およびその流域などの水の供給と質の確保にリンクさせること。

森林や他の自然資源の持続的管理のために経済的インセンティブを地元コミュニティに提供すること

環境持続性のある政府による貧困削減施策

工業的発展がもたらした環境問題の解決に、企業などのビジネスセクターを巻き込むこと

持続的な農法を優先させ、森林の減少や調理や暖房の際の煙の吸入による健康への危険を減少させるため原因となる燃料としての薪や炭の代替の提示

シンポジウムでは、環境と貧困と健康の関連についての最新の調査結果および自然から最大の便益を得るための資源管理とガバナンスに関する新戦略が提示された。

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