幻の両性類70種を14カ国に追う-まだゲロゲロ鳴いて生きているカエルたちを探して
 

世界中から集まった科学者たちのチームが、70種以上の“いなくなった”両生類を追うという、かつてない調査を始めたことを、本日コンサベーション・インターナショナル(CI)と世界自然保護連合(IUCN)の両生類専門家グループが発表しました。

かれらは絶滅した可能性もありますが、どこか人知れない場所で生きているかもしれないという希望もあります。

この調査は、5大陸の14カ国で行われます。このように多くの”失われた”生き物を探す調査は前例がなく、世界的に両生類が衝撃的に減少し、30パーセント以上が絶滅の危険があるかで開始されました。

科学者チームが探している多くの両生類は、数十年間目撃情報がなく、個体が生き残っているのかどうかを明確にすることは、近年の両生類の絶滅の危機を理解するうえで科学者にとって非常に重要です。

「両生類は、特に環境の変化に敏感です。そのため、しばしば生態系のダメージの指標とされています」と、今回のIUCNの両生類専門家グループの調査を計画したCIのロビン・ムーアは説明します。

「しかし、地球規模での“炭鉱のカナリア”としてのこの役割は、この50年ほどの間に起こった世界規模の環境の急速で甚大な変化を示しています。特に気候変動と生息地の破壊は、両生類に甚大な被害をもたらしました。わたしたちは、今回の“失われた”といわれているけれど、どこかに生き残っていると信じている種の調査を行い、明確な回答と、できれば、ある種のほとんどが絶滅してしまったときに、ある小さな個体群が、どのような要素によって生き残ったのかを知ることができます。」

生息地の喪失に次いで深刻な危機は、ツボカビ病を引き起こす病原菌です。ツボカビ病は両生類の個体群を壊滅させ、何種かについては種全体を壊滅させました。

ムーア博士とチームの科学者は、70種のうち、特に重要な10種をリストアップしました。博士は、「ある種がほかの種より重要かどうかということを比べるのは大変難しいのですが、このトップ10リストの種は特に科学的および美的な価値が高いと考えて選びました。

TOP10の両生類

Goalden Tod,Incilius periglenes。コスタリカに生息。最後に目撃されたのは1989年。
絶滅したと考えられている両生類のなかでも特に有名。数多く生息していたにもかかわらず、1980年代最後の1年間に急激に絶滅へ。

Gastric brooding frog, オーストラリア。Rheobatrachus vitellinus and R. silusの2種。最後の目撃は、1985年。独特な再生方法をとる。メスが卵を飲み込み、胃の中でオタマジャクシを育てる。カエルになると口から生まれてくる。

Mesopotamia Beaked Toad, Rhinella rostrata. コロンビア。最後の目撃は1914年。ピラミッド型の頭を持つ。

Jackson’s climbing salamander, Bolitoglossa jacksoni ガテマラ。最後の目撃は1975年。鮮やかな黒と黄色の両生類。世界に2つの標本しかないが、1970年代にカリフォルニアの研究所から1つが盗まれた。

African Painted Frog, Callixalus pictus. コンゴ共和国およびルワンダ。最後の目撃は1950年。写真に撮られたことがなく、ほとんどわかっていない。

Rio Pescado Stubfoot Toad, Atelopus balios, エクアドル。1995年4月が最後の目撃。ツボカビ病によって全滅したと考えられている。

Turkestanian salamander, Hynobius turkestanicus. キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン。1909年が最後の目撃。パミール高原とサマルカンドの間で1909年に見つかった2つの標本により知られた。

Scarlet frog, Atelopus sorianoi, ベネズエラ。1990年が最後の目撃。奥地の雲林の小川にだけ生息していた。

Hula painted frog, Discoglossus nigriventer, イスラエル。1955年に捕獲された1匹が最後の目撃。マラリアを撲滅するためにシリアで沼沢地の排水が進められたことでいなくなった。

Sambas Stream Toad , Ansonia latidisca.  ボルネオ(インドネシアおよびマレーシア)。1950年代に見られたのが最後。木材伐採によって川の堆積物が増加したことで減少した。

IUCN両生類専門家グループの共同議長で、CIのエグゼクティブ・バイス・プレジデントのクロード・ガスコンは、「これはまったく新しい試みであり、大変重要です。両生類が直面している脅威と何が起こっているのかをよりよく理解する必要性だけでなく、世界の両生類研究者にとって、長い間失われていた種を見つけるまたとない機会をもたらします」と述べています。

「このような“失われた”種の調査は、両生類の絶滅の危機を食い止めることに対して重要な情報を提供してくれるはずです。また、人類が自分たちがいかに地球に対してインパクトを与えているのかを知ることにもなります。」

(写真 © Rudolf von May)