世界の造礁サンゴの3分の一が絶滅の危機。気候変動と人間の活動による破壊が原因
 
 
(7月10日 米ヴァージニア)- 世界の造礁サンゴのうち、3分の一の231種が絶滅の危機に瀕していることが、国際自然保護連合(以下IUCN)と国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(以下CI)による世界で初めての包括的な造礁サンゴ保全状況アセスメントで明らかになった。  

IUCNとCIによる合同調査「世界海洋生物種アセスメント(以下GMSA)」において、造礁サンゴ845種のうち、704種についてIUCNのレッドリストのカテゴリーに基づき分析が行われ、3分の一にあたる231種が絶滅の危機にあることが、本日付の「サイエンス・エクスプレス」で発表された。残りの141種は十分な情報が不足しているため「情報不足(DD)」に記載されたが、さらなる情報が得られれば、これらの種も絶滅危惧種に記載される可能性が高いという

数百年以上もかかり形成されるサンゴ礁は、25%以上の海洋生物の生息地であり、最も生物多様性が豊かな海洋生態系を作り出している。沿岸のコミュニティにとって重要な魚類やその他の海洋資源を提供し、熱帯の暴風雨による浸食や洪水から沿岸の町や環境を守っている。したがって、サンゴの絶滅は、サンゴ礁に生計を頼る数百万の人々に甚大な影響をもたらす。

アセスメントは、サンゴへの主な脅威は、気候変動、破壊的な漁業、汚染による水質の悪化、沿岸の生息地の減少などによる地域的なストレスであると指摘している。また、気候変動をもたらす二酸化炭素は海洋に吸収され、酸性化をもたらすことでもサンゴ礁にとって深刻な脅威になると予測されている。

サンゴ礁にとって危険な状況が広がっており、保全の措置が急務である。「いま二酸化炭素の排出を減らさなければ、多くのサンゴが永久に失われてしまう」とIUCN事務局長のジュリア・マートン・リファーブレは警告する。「美しく環境の変化に弱いさんご礁のエコシステムを守るためには、水質の改善、世界規模の教育、地域の保全活動への適切な資金が不可欠です。」

ミドリイシ属(Staghorn corals/Acroporid)は、52%の種が「絶滅の恐れのある状態(Threatened)」に記載され、最も絶滅の危険性が高い。カリブ地域は、エルクホーンサンゴ(Acropora palmata)などの最も絶滅の危険性がある「絶滅危惧ⅠA類(CR)と「絶滅危惧ⅠB類(EN)」のサンゴが多い。西大西洋のインド・マレー・フィリピン諸島の生物多様性の豊かな"コーラルトライアングル"は、この地域の多くの集中した人口が主な原因となり、インド太平洋で「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」「準絶滅危惧(NT)」のサンゴが最も多い。また、Favia属と Porites属のサンゴは白化と病気に比較的高い抵抗力を持っているため、もっとも危険度が低いことがわかった。

造礁サンゴのアセスメントは、GMSAが2006年からヴァージニア・ノーフォークのオールド・ドミニオン大学で行っている多数の海洋生物種国際アセスメントの一環である。生態系を形成する上で重要な藻やマングローブ、全ての海洋魚類、その他の重要なキーストーンである無脊椎動物に関してもアセスメントが行われている。GMSAは、2012年までに20,000種以上の海洋動植物種の絶滅の危険性について最初の包括的なアセスメントを完了し、世界中の保全計画に不可欠のベースラインを提供し海洋生物種の絶滅について追跡する計画である。

この結果は、2008年10月にIUCNのレッドリストに掲載される予定です。アセスメントの結果は、以下で見ることができます。
http://www.sci.odu.edu/gmsa/about/corals.shtml

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