コロンビアで新種の両生類10種を発見-絶滅の危機に瀕する両生類の"ノアの箱舟"
 
 
(2月3日 コロンビア・ボゴダ)- コンサベーション・インターナショナルなどの調査により、パナマとの国境に近いコロンビアの山地で、とげのある皮膚を持つカエル、オレンジ色の足を持つアマガエル、3種のヤドクガエル、体の器官が透けて見える3種のグラスフロッグなど、新種とみられる10種の両生類が発見された。

この調査は、コンサベーション・インターナショナル(CI)・コロンビアの両生類学者、エコトロピコ基金の鳥類学者が、コロンビアのダリエン(Drien)山脈タカルクナ(Tacarcuna)丘陵で、地元のコミュニティであるエヤケラ(Eyakera)村のエンベラ(Embera)族の支援により、3週間にわたり実施したもので、60種の両生類、20種のハ虫類、約120種の鳥類を同定した。その多くがこの地域の固有種である。

新種とみられるのは、以下の10種である。
グラスフロッグ(Nymphargus属、chochranella属、cantrolene属)3種
ヤドクガエル(Dendrobatidae科のColostethus属、Ranitomeya属、Anomaloglossus属)3種
Atelopus属のハーレクインフロッグ 1種
Pristimantis属のアマガエル 2種
Bolitoglossa属のサンショウウオ 1種

コロンビアは、世界中でもっとも多様な両生類を有する国のひとつであり、現在754種が記録されている。

新種以外には、以下の生き物が記録された。
バク:大型ほ乳類のベアード・バク(Tapirus bairdii)。IUCNのレッドリストでコロンビアの絶滅危惧種(ⅠB類)
サル:ジェフロイクモザル(Ateles geoffroyi)、ジョフロワタマリン (Saguinus geoffroyi)、ノドジロオマキザル(Cebus capucinus)、マントホエザル(Alouatta palliata)の4種のサル
クチジロペッカリー(Tayassu pecari)の個体群

さらに、科学者たちが驚いたのは、中央アメリカのサンショウウオ(Bolitoglossa taylori)、アマガエル(Pristimantis pirrensis)、小型トカゲ(Ptychoglossus myersi)、ヘビ(未特定)などの種が、はじめて南アメリカの北部で記録されたことである。

「この地域は明らかにノアの箱舟だ。両生類は、国内のほかの多くの地域でも世界のほかの場所でも深刻な絶滅の危機にあるが、これだけ多くの新種の両生類が発見されたことは、希望のしるしだ」と、CIコロンビアのシニア・ディレクターであるホセ・ビンセント・ロドリゲス-マヘチャは言う。

科学者たちは、両生類は、生態系の健全性を示す重要な指標だという。両生類は浸透性・吸水性の高い肌を持っているため、しばしば、酸性雨による環境の悪化や、重金属や殺虫剤などの人間にも有害な汚染をいち早く警告してくれる。さらに、マラリアやデング熱のような病気を媒介する昆虫を捕食することにより、これらの人類にとって脅威となる伝染病の蔓延を防いでくれている。気候変動の影響にもとりわけ敏感である。現在、両生類の3分の1が絶滅の危機に直面している。

「コロンビアが、地域においてのみではなく、世界的な自然の多様性を持っていることを再確認した。今回の発見が、科学にとっても人間の暮らす環境の健全性という点でも重要なマイルストーンであることは疑いない」とコロンビアの環境大臣ホアン・ロザノ氏は語った。

ダリエン山脈は、アンデス山脈から離れている。固有性が高く、高い生物多様性の価値も認識されている。歴史的に、南北アメリカの動植物の橋渡し場所の役割を果たしてきた。

現在はまだダリエン山脈の自然は比較的乱されていないが、多くの脅威に直面し、木材の間伐、大規模な酪農、違法耕作、狩猟、鉱物採掘、生息地の分断化などによる急速なランドスケープの転換が進んでいる。特に低地や沖積平野などで、この地域の自然植生の25から30パーセントが失われている。

今回の調査の結果により、ダリエン地域全体で保護地域の状況が強化され、タカルクナ丘陵における新たな保護区宣言につながると期待されている。さらに、先住民保護区の創設により地元のエヤケラ村のエンベラ族の土地所有権の承認を支援し、地域と住民に適した保護計画を作成することも重要なゴールである。

今回発見された新種の同定と名前は、保護状況と絶滅の危機を評価するために科学界と環境当局に提供される。

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