気候変動問題に取り組む中国
 
 
(Kate Barrett,CI)- 経済が拡大して数百万の人々が貧困から脱した中国はこの25年間で急成長した。だが、大いなる進歩は国内の自然環境問題に多大な負担を強いることになった。 想定されたよりも10年早く、2009年には、中国はアメリカを追い抜いて温室効果ガス排出ナンバーワンの国になると予想されている。

中国のチャンス
気候変動をひどく悪化させかねない国は、それを改善させる大きな能力も備えうる国だともいえる。急成長する中国が人や多様な生物に対して正しい選択をすれば、全世界は今後、安定、繁栄、安全を享受することができると環境保護活動家たちは口を揃える。

Conservation International(CI)の中国代表 Zhi Lu博士と、気候・水問題担当シニア・ディレクターのMichael Totten は、中国が実際どのようにこの問題に対処できるか調査を行っている。

最近刊行された Woodrow Wilson International の"中国環境問題シリーズ"でTotten とLu 教授は、世界が気候変動に直面するなかで、いくつかの解決策が、どのように安全を改善できるかについて検討した。

「中国はこの全状況を悪化させることもできるし、また良い方向に動かすこともできる。それは世界の経済市場を実に変え、それによって中国は繁栄と経済の安全性を得るのみならず、より安全な生態系を保つことにもなる」とTotten は言う。

大気の改善
中国では局地的なスモッグが幾つかの地域で起きる。これは中国が他の国よりも石炭(もっとも悪質の燃料で二酸化炭素排出量がもっとも多い)を多く使用するのがその一因だ。また中国は煤塵の排出量でも他の国をしのいでいるが、これも温室効果ガスの一つで地球温暖化の因となる。煤塵は収穫後の作物の残滓を燃やすと発生する。公式には禁止されているのだが、広く実施されている。

このような汚染大気は弊害を伴う。「深刻な環境問題は経済発展を妨げるのみならず、人の健康を蝕む。環境問題は未来の発展の一つの阻害要因だと中国は既に認めている」とLu博士は述べる。       

毎年、百万人以上の人々が呼吸器疾患で死ぬ。そしてこの病気の介護に要する費用は、5百万人の人の年収に相当する膨大なものである。

スモッグは日射を遮り、作物の生長を妨げて経済を損なう。中国南部の大洪水は北部の極端な旱魃は煤塵のせいかもしれないと科学者たちは信じている。

太陽光、風力などクリーンなエネルギー源が、汚い石炭への依存を減らしてくれるかもしれない。中国の風力の潜在力は世界一かもしれないと見積もられており、すでに中国は世界の太陽熱利用温水製造装置の60%を保有している。中国政府は2020年までに、風力、太陽光発電、太陽熱利用を劇的に増加させる目標をたてている。

風力などのクリーンエネルギーは経済的にも採算が取れる。石炭は風力より安いと思われるかもしれないが、ほとんどの石炭は中国の北部に産する。したがって、これを上海のような南部に運ぶには余分なコストがかかるのである。風力を利用した農場は貧困にあえぐ地方の人々の助けにもなる。農作物廃棄物で作った地球に優しい建材やガス化したバイオ燃料を利用して煤塵を減らせば洪水や旱魃を減らすこともできて、多種の生物がより良い空気を吸い、生活の場もより安全になる。

利水改善
地球の気象が変われば変わるほど、中国の水事情は悪化する。 中国西部の氷河は5分の1に縮小し、2.5億の人々への給水を脅かしている。灌漑施設が不備なために約3分の2の水が作物に届かず、深刻な水不足に苦しんでいるのがこの国の実情である。

深刻な水質汚染によって水補足は増大している。国の70%以上が未処理の廃水を河に直接流している。 汚染と水源の縮小が中国の安全を蝕んでいる。中国の大部分の河はあまりにも汚染されていて、飲料水に適さない。綺麗な水を供給するコストは水不足につれて増大する。 生物多様性も確実に打撃を受けるだろう。

今後数十年の間に、16ヶ月ごとに巨大ダムが建設されることになっている。古代から生き残った種、チュウゴクチョウザメやシナヘラチョウザメは海から揚子江をさかのぼるルートを妨げられることになる。・

危機を緩和するために、中国の指導者たちは、効率化こそ肝要だと認識している。水保全を推し進め効率的かつコスト的に有利な灌漑システムを採用する戦略構想を既に持っている。彼らの構想の一部は既に中国各地で既に試されている。山東では農地の75%で水保全策が施行されている。

正しい環境保全策の選択は永遠の課題だ。だが、常に政策と科学に基づけば、中国が環境保全のリーダーになっていくに違いないと環境保護活動家たちは確信している。

(翻訳:CIボランティア・浜 健二)