World Legacy Award -理想的なエコツーリズム活動 4ヶ所の観光地が世界最高に選ばれました。
 
 
4ヶ所の観光地が世界最高に選ばれました。 ワシントンD.C.(2004年6月8日)- CIと ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー誌は共同で、環境面・社会面で最も優れた観光事業に与えられる、2004年 ワールドレガシー賞の受賞者を本日発表しました。この賞は、今夜、ワシントンのナショナルジオグラフィック協会本部におけるヌール王妃主催の式典で授与されます。

受賞者はそれぞれアラブ首長国連邦やオーストラリア、バルバドス、インドネシアで活動する旅行会社などであり、ビジネスと自然環境保全、遺跡保護、社会的責任を見事にバランスさせた観光産業の最高の事例といえます。

自然旅行、遺跡観光、総合宿泊施設、観光地管理の4分野からそれぞれ1名の受賞者が選ばれましたが、候補者は、実に6大陸40カ国以上に及んでいます。

「旅行・観光は地球上で最大の産業です。国によっては、観光事業はこの10年で10倍以上に成長しました。観光客が一番行きたい場所を観光事業自身が損なわないように、注意する必要があります。自然保護と地元住民の生活向上を推進するような、責任を持つ観光事業において受賞者たちの事例は際立った活動だといえます。」と、CIエコツーリズム部門のシニアディレクターであるコスタス・クリストは述べています。

自然や生物多様性の保全に多大な貢献をした企業に授与される自然旅行賞は、アラブ首長国連邦のドバイにあるアル・マハ・デザート・リゾート(Al Maha Desert Resort)が受賞しました。近代的高速道路建設や開発による影響が増大している砂漠の環境において、アル・マハ・デザート・リゾートは政府に働きかけて、ドバイ地域の約5%に保護区を作ることに成功しています。リゾートはベドウィン族のキャンプ地のように作られており、滞在者はラクダによる砂漠探検や、33種類もの固有哺乳類・爬虫類の観察(絶滅危惧種のアラブ産オリックスも含む)や砂漠のバードウォッチングを楽しむことができます。

文化遺産の面で多大な貢献をした企業に授与される遺跡観光賞は、オーストラリア北部3ケ所の先住民コミュニティを代表するヌバンガチャチアラ(Nvangatjatiara)・アボリジナル社の子会社であるアナングツアーズ(Anangu Tours)が受賞しました。アボリジニたちは、目を見張るようなウルル(エアーズロックの名で知られる世界最大の一枚岩)の麓までブッシュウォークをしながら観光客を案内し、そこで世界最古のにかわの作り方や、野生動物の追跡法、古来伝承を共有する方法、地元産食料の料理方法を教えています。

自然環境を保護し地域固有の文化を奨励するような設備を備えた総合宿泊施設部門賞は、バルバドスのカジャリーナ・ビーチ・クラブが受賞しました。一風変わったこの宿泊施設は、排水の再利用や廃棄物の堆肥化など厳しい環境基準を適用しています。滞在客は、珊瑚礁のダイビングや、地元の詩の朗読、9エーカーに及ぶ広大な庭を楽しむことができます。また、カジャリーナ・ビーチ・クラブは、従業員の教育と訓練にかなりの投資をしています。

自然と文化遺産の保護に大きな功績のあった場所に贈られる観光地管理賞は、リンジャニ・トレッキング管理委員会が代表するインドネシアのロンボク島のリンジャニ火山が受賞しました。この熱帯地方の島を訪れれば、荘厳な滝や噴火谷に至る長いジャングルのトレッキングや、密林の合間に素晴らしい海のパノラマ風景を楽しむことができます。リンジャニプログラムは、地元のコミュニティグループと、観光案内所スタッフ、地元の国立公園の強力なパートナーシップの具体例でありインドネシア観光事業の最近の大きな落ち込みを食い止めることに成功しています。

観光事業が成功すれば、経済的な機会がもたらされ、自然環境や文化遺産の保護に役立ちます。」と、ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー誌の編集者であるKeith Bellows氏は言います。「私の希望は、本誌の読者、さらにすべての旅旅行者たちが、持続可能な観光事業の理想を推進しているような事業や組織を支援することです。社会的に節度を持った観光事業は、まさに事業の未来に大きな影響を与えます。愛する場所を守り、次の世代に残していかなくてはいけません」

世界で年間7億人近くの旅行者が、2020年には倍の14億人に増加すると予想されます。旅行・観光分野は、世界GDPの11%を担っているのです

旅行・観光産業の規模が大きいだけに、自然環境や貴重な文化遺跡を破壊することがは少なくありません。開発やインフラ整備の増大、物資や食料、水に対する地元の要求拡大、採掘産業の成長なども脅威となっています。しかしながら、優れた計画により、地域住民が観光事業から利益を得ながら、生物多様性と自然環境を守り、文化遺産や遺跡をそのまま残すことが可能です。

CIとナショナル・ジオグラフィック・トラベラー誌が協力して創設したワールドレガシー賞は、環境面の社会的責任や文化遺産に焦点を当てている点に特長があります。ワールドレガシー賞は、科学者や人類学者、観光事業の専門家が、実際に現地を訪問して確認しているただ一つの世界規模の観光事業の賞なのです。

「今回の受賞者は、旅行・観光業界が果たすべき最適な事例でしょう。」と、2004年の受賞委員会名誉会長をつとめた、ヌール・ヨルダン王妃は述べられました。「私自身がとても勇気づけられましたが、他の多くの地域にもこれが拡がっていくことを期待しています」


(翻訳・CIボランティア 岡埜河童)