気候変動枠組み条約会議(COP17)中間報告
 

 

2015年までに達成すべきこと

~包括的な枠組への合意へ向けた緊急課題~
 

2011125(ダーバン、南アフリカ)

ダーバンで開催中の国連気候変動枠組条約第17回締約国会議の閣僚級会合に参加する194カ国の代表にとって、最重要検討項目となる一つの数字があります。それは「2015年」。
このままでは、世界は約2度気温上昇することが予想されていますが、壊滅的な影響をおよぼす気候変動を回避するためには、世界は2015年までに包括的な気候変動の枠組みを成立させなければなりません。

コンサベーション・インターナショナルのCOP17代表団長である、フレッド・ボルツ博士は言います。

「問題は複雑です。また、合意への道のりは決して容易ではありません。しかしながら、私たちは会議の最後まで、2015年までに包括的な気候協定を成立させることを最優先とすることを強く締約国に対して提言していきます。これは根拠のない目標でも、政治的な駆け引きの話でもありません。最先端の科学的分析に従い、短期的および長期的なシナリオの中で甚大な損害を最小限に抑えるために、私たちの行動を変えなければならないタイムリミットの年なのです。」

共通だが差異のある責任の原則を尊重しつつ、排出に責任のある国々に対して、拘束力を持つ排出削減の合意を得ることが、本会議の唯一の成功を判断する基準ではありません。

その他の重要な課題として、京都議定書の延長、グリーン気候基金の運用化、特に気候変動に最も脆弱な国々への適応活動に対し、直接的に資金をサポートする適応委員会の運用化など、気候変動対策の財源に関する課題があげられます。

京都議定書の延長に関する問題は確かに難しい課題です。しかし、合意に向けた交渉のために、温室効果ガスの具体的な排出削減を止めることになってはいけません。京都議定書は確かに完璧な枠組みではありませんが、これまでの15年で、京都議定書の下で削減目標を負った国々では概ね排出量は削減されました。その意味で、京都議定書には効果があったのです。


CIの気候変動政策シニアディレクター、ベッカ・チャコのコメント
「より大きな合意にむけて、CIが各国代表団に働きかけていることの1つに、より多くの国々が排出削減目標およびそれらの目標に対し義務を負うためのコンプライアンス・メカニズムなどの重要な要素について、議論を進めることです。最終的な決定がどういったものであれ、過去に排出削減の実績につながった項目に、より多くの国々を参加させることが必要です。



交渉第一週目の進捗状況について


本会議の前半では、気候変動対策に向けた行動全般に関して、より多くの技術的側面に関する困難な交渉が長時間にわたり行われ、一定の成果がみられました。その結果、REDD+( Reducing Emissions from Deforestation and Degradation/森林の減少・劣化に由来する排出の削減)の重要な要素について一定の進歩がありました。

しかしながら、REDD+の実施に関する議論は前進しながらも、明確で確実な共通項目で合意するための交渉は遅れています。
残りの会期で実施される、公的、市場、および革新的な財源を含む財政面での合意を期待します。
CIの気候変動政策チームの分析によると、REDD+の前進のためには、年間約250億~350億米ドルが必要とされています。



REDD+に関する決定事項について


交渉がすでに手遅れであり、初日には会議が決裂するだろうと予測していた否定的な人たちもいました。しかし、そうはなりませんでした。REDD+に関するSBSTAの交渉は保守的でありながら、一定の進歩をみせました。

気候変動を緩和し、適応するための革新的なメカニズムとして変化をもたらす可能性を持つREDD+に関する決議がなされることを期待します。議論はまだ続いています。


ボルツ博士のコメント

「もちろん、最も重要な課題については、まだ今回のCOPによる方向性が定まっていません。また、交渉が決裂する可能性も強くあります。しかしながら、カンクンから各国が見せ始めた政治的な意志が、ダーバンでの議論を通じて、コンセンサスによる合意を可能にすることを実証することになるとCIは希望をもっています。いつまでも、いつか未来の話しをしている時間はありません。今が、アクションを起こす時なのです。」


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コンサベーション・インターナショナル(CI)について
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