ロメオ・トロノ氏-フィリピン政府自然資源管理局勤務しウミガメやジュゴンの保護に携わる。その後、WWFフィリピンのコンサベーション・フィールドオペレーション担当。スールー・スラウェシ・エコリージョンプログラムディレクター。2003年7月より、CIフィリピンのエグゼクティブ・ディレクター。 スキューバダイビングのインストラクターの顔も持ち、日本人の生徒も多数。 Q:現在のお仕事について教えてください。


A:CIフィリピンのエグゼクティブ・ディレクターとして、フィリピンプログラム全体を監督しています。主なものは、シエラマドレやパハワン、ミンダナオでのコリドー(回廊)プログラムとホットスポットにおける「生物多様性保全プログラムです。
Q:CIフィリピンの今後の海洋保全戦略はどのようなものですか?

A:CBCの目的とする多様な種の保全を成し遂げるため、モニタリングを強化します。また、活動を目に見える成果にすることも重要です。今後5年間で、コリドーを統合していくことを目指しています。
具体的には、①生物多様性コリドープロジェクト②持続可能な資金調達メカニズム③スールー・スラウェシ生態系でのネットワーキングなどを行います。

また、「ウミガメの回廊」作りにも力を入れていきます。ボルネオ島北部からカリマンタン東部にかけての地域は、フィリピン、マレーシア、インドネシアを含む”トリ・ナショナル(三カ国)・コリドー”です。ここには、10種以上のアオウミガメとタイマイが生息しています。NGO、学術関係者、政府などのステークホルダー間のパートナーシップのイニシアティブデディスカッションが始まったところです。

さらに、世界遺産に指定されているトゥバタハ岩礁海中公園(Tubbataha Reef World Heritage Ste)での環境保全と住民の生活向上を目指す活動も計画しています。
Q:海洋生態系保全のための重要なことは何でしょうか?

A:フィリピンは多くの島からなる国です。実に70%の人々が直接的・また間接的に海洋資源に依存しています。たとえば、食料として、また、資材調達先やレクリエーションとしても海を利用しています。わたしは、成功のカギとなるのは、環境保全を人々の福祉(HumanWealfare)と結びつけることだと考えています。貧困緩和・食料の確保・その他の社会的方策が非常に重要です。 環境保全と社会的な問題は表裏一体なのです。 Q:日本の人々へのメッセージをお願いいたします。

A:生物多様性保全(Biological Diversity Conservation)は、グローバルイシューです。すべての国が、それぞれの義務と権利を持っています。したがってそれぞれの国の互いの協力なくしては取り組むことができないのです。このなかで、日本は重要な役割を担っています。たとえば、ウミガメ、クジラ類、マグロなどの、海洋を移動する生物の保護などでのイニシアティブが考えられます。日本からは、資金の提供だけでなく、共同研究や法的執行、またキャパシティビルディングなどでの協力を期待しています。