ワシントン(2004年1月7日)-

この研究によると、2050年までに予想される地球温暖化による気候変動の結果、生物種の15~37%が最終的には絶滅してしまうだろうと予測されています。

同研究では、地球上の陸地の20%にあたる6の地域で、陸生動植物1,103種について、気候変動規模がそれぞれ最小・中・最大であった場合の3つのシナリオを想定し、気候変化に反応して種が生息域を移動することによって生き延びる可能性をコンピュータシミュレーションにより解析しました。今回の研究は、科学者の同分野での共同研究としては、いままでで最大規模のものとなりました。

コンサベーション・インターナショナル(CI)- CABS(生物多様性応用自然科学センター)のLee Hannahによれば、「この研究により、今世紀、生物種にとって最大かつ新たな絶滅の脅威は気候変動であることが明らかになった。」といいます。「(いままで生物種にとって最大の危機だった)生息域の喪失と気候変動は、生物種が移動し生き残る可能性を打ち消しかねない。」とのことであり、気候変動による生物多様性への影響が非常に重大かつ深刻であることを示しています。

これらの予測では、現在から2050年までの気候変動によって生物種が次第に絶滅していくと指摘していますが、もし2050年までの温暖化を最小限に抑えることができれば、15-20%の種を絶滅から救えると結論付けています。

「この研究を基礎として地球規模の他の地域の動植物について推定すると、気候変動の結果、100万を優に越す生物種が絶滅の危機に瀕するであろう。」と研究主要メンバーの一人であるLeeds大学のChris Thomasはいいます。

気候の変化が少なければ、生物種がもとの場所にとどまる可能性は高く、一方、気温が少しでも変化すれば生物種は、生きるのにより適した場所(通常は、より涼しい場所)へと移動します。ただ、開発や環境の破壊によって既にそれらの生息域が変化している場合には、もはや行き着く先はありません。

気候変動による生物種の絶滅を防ぐには、「第一に、温室効果ガスを劇的に減少させ、よりクリーンな技術へと切り替えることで、数え切れないほどの種を救うことができる。第二に、気候変動が生態系全体に影響を与えるという認識のもとで保全戦略をデザインし早急に効果的な保護手段をとる必要がある」とChris Thomasはいいます。

CI-CABSと南アフリカ国立植物研究所は、この研究において、同国最南端に位置するケープ・フロリスティック地域の300以上の植物種の気候変動への対応を解析した結果、たとえば南アフリカの国花であるキングプロテアを含むプロテア植物種の30-40%もが2050年までに絶滅するであろうと予測しています。

*南アフリカのケープ・フロリスティック地域は、豊かな生物種を持ちながらも危機に瀕しているため、世界の25箇所の 生物多様性ホットスポットに含まれている。

*世界の平均気温は、過去の100年間に比べ約華氏1度増加しており、この20年間、温暖化は加速しており、科学者は、最近の気温上昇は、人類の活動が大気化学物質構成に変化を加えたことによるとしている。温室効果ガスは、主に、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素である。