2015年時点の野心的で全世界が取り組む気候変動枠組み条約への道を築くべき
 
カタール、ドーハ
気候変動枠組み条約において、いくつかの交渉の枠がこの12月に終了する予定であり、3年後には新たな条約が合意される予定です。コンサベーション・インターナショナル(以下CI)は、気候変動枠組み条約会議に参加する全ての国々が、科学者たちの予測を無視すれば、地球の全ての生命を根底から支えるシステムが取り返しのつかないダメージを受けることの緊急性を再認識すべきであると強調します。

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日からドーハで始まる、国連気候変動枠組み条約第18回締約国会議(UNFCCC)は、2015年までに地球全体の気温上昇を摂氏2以内に抑えるための世界的合意にむけたロードマップを確立する重要な会議です。2℃以内の気温上昇は、科学的者たちが、水の安全保障、食料安全保障、経済安全保障、そして、人間の幸福に影響を及ぼすティッピング・ポイントとして設定しているものです。

CI
は、これらのリスクに立ち向かい、成功を残すためには、以下にあげる少なくとも3つの主要分野での進捗が鍵になると考えています:


1)
  2015年にむけた野心的でグローバルな気候変動条約に向けた進展: 唯一の法的拘束力をもつ国際協定である京都議定書に基づき、緊急を要する排出の削減の必要性に対応する。

2)
多様な資金源を確保すること: 先進国が発展途上国の気候変動の緩和適応に対応するための積極的な支援を実施するために、新たな公的資金へのコミットメントと民間セクターの投資が必要です。

3)
各国が気候変動の影響のスピードを抑え、対応できるための活動実施を直ちにスケールアップするような決定: 特に、REDD(森林の減少・劣化に由来する排出の削減)の分野で途上国が森林を維持し、森林減少による炭素排出を削減する努力への補償が重要です。


「3つの点は、地球温暖化の壊滅的なレベルを避けるための、迅速な行動への追加的コミットメントの一つであり、気候を安定させるための計画の重要な柱です。それは、人類やすべての生物が自然そのものの力を利用して気候変動に適応することを促進するのです。」とCIの国際政策センターの上級執行役員のフレッド・ボルツ博士は語ります。「気候変動はすでに地球に様々な影響を与えています。自然は、私達の時代において最大級の課題に解決策をもたらす中心的な存在なのです。」「今年の会議は極めて重要です。なぜなら、2007年から開始された多くの交渉が、今回終了する予定になっているからです。私たちは、過去5年間において行なわれた交渉が失われないようにする必要があります。2015年に合意する新しい世界的枠組みは、京都議定書、REDD+への投資、途上国のための資金調達など、現在あるコミットメントの野心的増加に基づき構築されなければなりません。気候変動問題の重要性の認識の高まりとともに各国は2015年に合意する、確固とした世界的な条約の下、この危機を解決するための、共通で積極的な項目に合意する必要があります。」

■資金支援

「持続的な資金源」は、本会議において必須の議題項目です。脆弱な国家やコミュニティが、極端な天候の変化や海面の上昇、旱魃、その他の環境変化に対応できるようになるためには、緊急な資金支援が欠かせません。2009年のコペンハーゲンで合意された、先進国による300億ドルの初期支援の約束は今年の12月に期限を迎えますが、2020年まで年間1000億ドルの資金動員の約束、もしくは、昨年南アフリカにて設立された緑の気候基金の財源を維持するための新たな誓約はなされていません。CIは、緑の気候基金のための100150億ドルの支援に加え、2013年から2015年の間で少なくとも600億ドル、もしくは「初期支援」と呼ばれた、コペンハーゲンで約束された金額の倍増の支援を求めます。
複数の豊かな国々が直面している債務の問題は、資金の拠出検討にはると難しいかもしれません。しかしながら、もし今、資金が調達されなければ、将来のコストは財政面と人間生活への影響それぞれにおいて莫大な損害になるのです。1000億ドルという約束を不意にすることも許されません。緑の気候基金が機能しないようにしてはなりません。」とボルツ博士は言います。「ドーハに集まる各国は、いつ、どれ位を貢献できるか明らかにしなければなりません。現実的に気候変動問題に取り組むためには、各国は緑の気候基金を政治的なレトリックではなく、現実的な投資に向け、資金の持続的な増加によって、発足させなければなりません。」

■現在の解決策

CIはまた、各国が即座に温室効果ガスの削減と気候変動への適応への取り組みをスケールアップできるような決定を強調します。CIは気候変動に取り組む上で、自然が果たす重要な役割を充分に理解しています。そのため、二酸化炭素の排出を減らし、森林の劣化を同時に防ぐREDD+の推進に注力しています。さらに、自然を利用して、人々が気候変動に取り組む生態系機能を利用した適応策(EbA)を推進しています。


CI
のドーハでの政策提言ポイントを以下にまとめます:

 ●途上国における適応プロジェクトのために、先進国と新興国から具体的かつ充分な資金を割当てること

 ●災害リスクの軽減と管理における自然生態系の重要な役割を認識し、その保護を優先させること

適応へのアプローチに、自然生態系と伝統的知識を守ることを、高い優先度で含むこと

先住民や地域コミュニティの効果的な参加の機会を確保すること

REDD+構築のための資金面、技術的でのコミットメントの増加と排出削減の測定、報告、検証のガイドラインの進展


CIの気候政策シニアディレクター、レベッカ・チャコのコメント
「適応は、国際的な気候変動対策として広く知られています。ドーハでの決定は、政策的決定を現実的なアクションへつなげるものではなくてはなりません。自然の果たす役割を認識することです。自然は淡水の供給や高潮の緩衝、その他重要な環境サービスをサポートし、人々が気候変動適応するのを助けるのです。それは、持続的な気候変動対策のうち、もっとも効率的な方法の一つです。適応策の失敗は、何百万もの命や生計手段を危険にさらすことを意味します。」

「森林伐採は単独で世界の年間炭素排出量の
15%以上にあたります。自然を基盤としたREDD+のような気候変動解決策は、途上国の地域社会への社会的便益をもたらしながら、気候変動を減速させるための最も迅速かつ費用対効果の高い、賢明ないくつかの解決策を提供するのです。

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■本件についてのお問い合わせ

Patricia Yakabe Malentaqui, International Media Manager, Conservation International
Office +1 (703) 341-2471 / email pmalentaqui@conservation.org

磯部 麻子 (CIジャパン)
Office +81 (3) 6911-6640 / email aisobe@conservation.org