カンボジア政府、中央カルダモン森林保護区設立へ:旧クメール・ルージュ支配下の原生森林地帯、東南アジア本土最大の自然保護区に

 

 ワシントン 2002年7月30日
カンボジア政府は同日、カンボジア南西部・中央カルダモン山脈地帯の40万ヘクタールに及ぶ地域を、中央カルダモン森林保護区として指定したと発表した。隣接する2つの野生動物保護区とあわせると、およそ99万ヘクタールに及ぶ、東南アジア本土最大の原生森林地帯が保護されることとなる。

フン・セン首相は保護区を公式に法制化、宣言内容にはカルダモン山脈地域の恒久的な保護も含まれている。政府の森林レンジャーや軍警察、地域監視員がパトロールをし、地域の森林及び自然保護法を施行する。

カンボジア森林・野生動物保護局長Ty Sokhun氏は次のように述べている。「今回の決定はわが国の驚くほど多様な生物群保護への大きな第一歩です。実際、世界中のどこにも発見することのできない動物達が我々の森で、支障なく繁栄することができるのです。」

カルダモン山脈はマレートラやアジアゾウ、マレークマなど希少な動物の生息地であり、中には世界的な絶滅危惧種であるパイレテッドギボン(テナガザルの一種)や、特に絶滅の危機に瀕するシャムワニも含まれる。シャムワニはカルダモン山脈地域でのみ自然繁殖が認められている。

カルダモン山脈はマレートラやアジアゾウ、マレークマなど希少な動物の生息地であり、中には世界的な絶滅危惧種であるパイレテッドギボン(テナガザルの一種)や、特に絶滅の危機に瀕するシャムワニも含まれる。シャムワニはカルダモン山脈地域でのみ自然繁殖が認められている。

コンサベーション・インターナショナル(以下CI)のグローバル・コンサベーション基金(GCF)は1年前よりカルダモン山脈の保護運営への支援を行ってきた。他にも、国連基金(United Nations Foundation)、米国国際開発庁がまとまった規模の支援を行っており、国連開発計画、地球環境ファシリティーも支援参加している。CIのカンボジア・プログラムは同国政府に対し、保護区運営や人材の訓練、パトロール、情報収集などの指導を行う。

つい最近までカルダモン山脈は木材伐採予定地だった。2001年、CIはカンボジア森林野生生物局と協力して同地の保護の正当性を訴え、カンボジア政府とカルダモン山での商業木材伐採を禁ずる政策立案にこぎつけた。CIの会長兼CEO、ピーター・セリグマンは、「この成功は自然保護運動の理想的な事例とえいる。CIはカンボジアで現地の他の環境団体、政府、住民との協力体制を作り活動してきた。その結果、カンボジアの生物多様性および住民にとって喜ばしい結果に結びつけることができた。」と述べている。

カンボジアの主要河川の多くはカルダモン山脈を水源としている。この流域を保護することが、下流の洪水を減らすことにつながる。70年間で最悪といわれた2000年の洪水の被害総額は、およそ1億5千6百万ドルとも見積もられている。

現在、カルダモン山脈は深刻な脅威にさらされている。プノンペンの市街では野生動物取引が盛んであり、クマ、ゾウ、ワニなど多くの野生動物の皮や体の一部が取引されている。それらの商品の多くは隣接する国々に密輸され、伝統的な薬品として使用される。

CIはカンボジア政府、NGOパートナーとの協力体制を継続し、より大きな保護区を誕生さてようとしている。実現すれば保護区はカルダモン山脈から海岸まで続き、ゾウの季節移動ルートの保護が確立される。カルダモン山脈は「インドとミャンマー国境地域生物多様性ホットスポット」に位置している。「ホットスポット」とは地球上たった1.4%の地表面積でありながら、地上の生物種の60%が生息する場所であり、現在世界で25ヶ所が指定されている。

国連基金総裁のTimothy E. Wirth氏は、「カルダモン山脈は野生生物の宝庫であり、カンボジアにとっても重要な水源だ。我々国連基金が国連開発計画と連携し、そしてNGOであるCIやファウナ・アンド・フローラ・インターナショナルとの協力によってカンボジア政府がこの広大な生物多様性の地を保護することが可能になったことを、誇りに思っている。このことはカルダモン山脈が世界遺産の地として国際的に認知され、公園の財源を増やすことへの重要な一歩である。」

 
 

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