国連基金とCEPF、スマトラで共同支援を開始
 
 
CEPF(2004年7月)- 国連基金は、 CEPF(クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金)のスマトラで環境保全とネットワークプログラム支援活動にマッチングファンドを供与することに合意しました。この共同での取り組みにより、スマトラで3番目に大きな国立公園で管理能力が構築され、他の2つの主要な公園へ効果が波及することが期待されています。

活動対象地の南ブキット・バリサン国立公園、クリンチ・スブラット公園およびグヌン・ルサール公園は、スマトラ島の低地熱帯雨林の最も重要な部分を構成しています。

本年6月30日に 世界遺産委員会により、 「Tropical Rainforest Heritage of Sumatra:スマトラの熱帯雨林遺産」として宣言されたこれらの3つの公園は、スマトラのアンデス山脈ともいわれるブキット・バリサン山脈の主稜に位置しています。

CEPFは国連基金に対して90万ドルを供与し、ユネスコを通じて南ブキット・バリサン国立公園のCANOPI(インドネシア・環境保全ネットワークプログラム)の活動を支援します。また、国連基金は同額をマッチングファンドとして供与します。

「この国連基金の支援がなければ、CANOPIは実現できなかったでしょう。」と、CEPFのアジア地区グラントディレクターであるジュディ・ミルズは語っています。

CANOPIは、南ブキット・バリサン国立公園とその周辺のローカルNGOや協力者たちが公園の生物多様性をモニターし脅威を軽減できることを目指してトレーニングを行う予定です。

この公園は、スマトラ島内の保護区の中で低地熱帯雨林が最も多く、西ランプン州との分水嶺となっています。また、この島特有の絶滅危惧哺乳類であるスマトラトラやスマトラサイの重要な生息地でもあります。 「南ブキット・バリサン国立公園の中で訓練が行われる際には、他の公園管理者やNGOも参加する予定です。」と国連基金・生物多様性のシニア・プログラム・オフィサーのシーマ・パウルは話しました。国連基金は、ユネスコと協力し自然分野の世界遺産地域の管理と環境保全を支援し、推進しています。

「これはお互いにとって得になる、win=winの協力関係です。CEPFは環境保全の重要なモデルに資金協力しています。当分野のよいモデルが少ないなかこのモデルを強化して他の地域に普及していきたいと考えています」と彼女は語りました。

このプログラムでは、新たに訓練を受けたNGOが、公園の環境保全に関する特定のプロジェクトを実施するための小規模の助成金制度も備えています。

この12年間に、スマトラは様々な人間活動の結果として、650百万ヘクタール以上の森林を失いました。南ブキット・バリサン国立公園や周辺の森林地域のエコシステムも例外ではなく、公園にある36.5万ヘクタールの森のうち20%以上が違法な農業によって伐採されてしまいました。

CEPFはこれまでCANOPYに対して、2回の助成金支給を行い、WCS(野生生物保護協会)の9つの地域パートナーとのプログラムの戦略計画作成や、管理体制の構築を支援してきました。また、WCSは計画が策定されるまでの間、公園に対する緊急の脅威に対処するために、それぞれの地域パートナーに対して、約1万ドルの小額助成金を提供してきました。

これらの活動が実を結び、1年以上も議論を重ねた結果、4月には、WCSと9つの地域グループはCANOPIとして行動し、南ブキット・バリサンの景観の共同管理を強化していくことになりました。各組織の代表が参加する評議会はプログラムを監督し、地域の公園管理者とともに働きます。

重要であるにもかかわらず危機にさらされているエコシステムを、このグループが自分たちの役割として責任をもって守ることは、それまで市民グループがそれぞれに行動してきたスンダランドの生物多様性ホットスポットでは、大きな第一歩です。

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(翻訳・CIボランティア 岡埜河童)

クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)とは、絶滅危惧種が多く生息し、生物多様性が脅かされている開発途上国の「生物多様性ホットスポット」を保全するために、当該地域で活動を行う民間団体を支援するもので、コンサベーション・インターナショナル(CI)、地球環境ファシリティー(GEF)、日本政府、マッカーサー財団、世界銀行により共同出資・運営されている基金です。