生物多様性ホットスポット保全のための基金への日本政府の参加について
 
 
インドネシア・バリ

-日本政府は、本日、クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)への参加を表明し、民間団体が行う自然保護活動への支援としてはこれまででもっとも重要な支援を発表した。同基金は地球上で最も危機に瀕しており、かつ生物多様性が最も豊かな地域を保全する取り組みである。

同基金への参加表明の中で、日本政府は健やかな環境を保全することへの強い意思を確認した。

大木浩環境大臣は、「生物多様性保全は、今日、世界が直面する最大の課題の一つである。CEPFの取り組みは、発展途上国の人々が健全な環境のためのプロジェクトをつくり、実施し、同時に経済的にも発展することを可能にするものである。このアプローチこそが、日本政府が同基金の重点的な取り組みへの参加を決定するに至った理由である。」と述べた。

CEPFは、コンサベーション・インターナショナル、地球環境ファシリティー、ジョン・D・キャサリン・T・マッカーサー財団、世界銀行、そして日本政府による共同基金で、生物多様性ホットスポットの保全のために、5年間に少なくとも1.5億米ドルの支援を行うことを目指している。ホットスポットとは、地球の陸面積の1.4%にあたる場所に陸域生物種の60%以上が集中して生息するという、極めて生物多様性が高い生態系であるにもかかわらず、著しくその生態系が破壊の危機に瀕している地域をさす。

これまで、CEPFのパートナーは、それぞれが年間5百万ドルを5年間支援することを約束しており、資金的支援、技術的な専門性、現場の知識を、発展途上国の生物多様性保全のために現地で活動する、非政府団体(NGO)、コミュニティ・グループ、民間セクターに提供する。

「生物多様性ホットスポットは、緊急状態にあり、今がその保全の最後のチャンスといえる。生物多様性保全に現地の人々の参加を得ることにより、未来世代のために環境保護を成功させるチャンスが最大になると確信している。」CEPFの事務局長兼コンサベーション・インターナショナル上級副理事で、同基金の管理責任者であるヨ-ゲン・トムセン氏は述べた。

同基金のパートナーは、自然保護と経済発展が深く関わりあっていることを共通のビジョンとし、このほどインドネシアのバリで開かれている「持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)」の最終準備会合の機会に、日本政府の同基金への参加を発表した。バリ準備会合には、政府、市民社会組織、企業などの代表3,700以上が参加した。WSSDはヨハネスブルグにおいて今年8月26日から9日4日まで開催される。

「人間の健康と長期的な繁栄は、この地球で共存し地球生命体を共に形成する他の生物種や生態系の健康や繁栄と、切り離して考えることはできない。われわれは、生物多様性が重要な問題であるということを示す生きた証しである。CEPFは世界の目が、われわれにとって最も危機に瀕しながら最も生物的に豊かな場所、例えばスマトラのような地域に向けられるよう協力を行う。」地球環境ファシリティーの議長兼CEOであるモハメド・T・エル・アッシュリー氏は述べた。

インドネシアのスマトラ島は、世界で最も緊急な自然保護が必要な優先地域の一つに挙げられているが、CEPFが今年支出を決定した5千810万米ドルの支援のうち最大にあたる、1千万米ドルの無償支援が行われることになっている。1万種を超える植物が低地熱帯雨林に生息するスマトラ島は、スンダランド・ホットポットの一部を形成し、ゾウ、サイ、トラ、ヒョウ、オラウータンが一緒に生息する、世界でも唯一の場所である。

CEPFがすでに支援を実施中の他の8つのホットスポット地域は、ブラジルの大西洋沿岸森林、南アフリカのケープ・フロリスティック地域、コロンビア・エクアドル国境のチョコ・ダリエン地域、西アフリカのギニア原生林地域、マダガスカル、中央アメリカ、フィリピン、熱帯アンデスである。

支援は、ほとんどが中小規模の無償支援で、これらのホットスポットで生物多様性の保全に向けて取り組むNGOや大学、現地コミュニティを含む、現地で活動する草の根グループに向けられる。

「生活のために自然資源に頼る現地の人々こそが、このイニシアティブの真の受益者である。」と、世界銀行副総裁イアン・ジョンソン氏は語り、もし森林破壊のスピードがゆるまなければスマトラの低地熱帯雨林は2005年には失われてしまうことにふれ、「私たちは早急に行動しなければならない。」と、警告した。

政府の全国調査によると、インドネシアは2千万ヘクタールの森林を1985年から1997年の間に失ったとされる。CIを始め他の専門家は、それ以降もさらに5百万ヘクタールあるいはそれ以上が失われたと推測する。

同基金の2000年の設立以来、CEPFのドナーカウンシル(理事会)は、アジア、アフリカ、中南米地域に、6千9百万米ドル以上の無償支援を承認した。