ワシントン、2000年8月22日-コンサベーション・インターナショナル(CI)、世界銀行、地球環境ファシリティー(GEF)は本日、生物の多様性が脅かされている開発途上国の「ホットスポット」を、より効果的に保護するための新基金(1億5,000万ドル)を共同で発足した。この新基金「クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)」は、陸生生物種全体の60%が生息する地球上のわずか1.4%の陸地から、生物の多様性が脅かされている地域(ホットスポット)を選び、これを中心に支援する。

 森林伐採など世界の動植物生息地の大規模な消失が、種の多様性を脅かす原因となっている。当初「ホットスポット」として指定された地域の88%はすでに破壊され、哺乳類全体のおよそ12%、鳥類と植物全体の11%が今や絶滅の危機に瀕している。

 「この基金は、こうしたホットスポットの保護に中心的な役割を果たす地元活動団体だけを対象とした新しい資金源です」と、CIのピーター・A・セリグマン会長兼CEOは語る。「本基金の目的は、援助機関と地域コミュニティーがより有効な形で協力し、さらに大きな効果を上げることにあります。ホットスポットで現在進められている努力の多くが実を結ばないのは、実施担当者間の調整ができていなかったり、草の根レベルのような重要な活動の資金が不足しているためです」。

 同基金は、運営に柔軟性をもたせ、自然保護への投資が最大限の効果を上げられるようにしている。新たな問題や小規模のプロジェクトは往々にして時間的余裕がなく、素早く対応する必要性に迫られるため、同基金では意思決定が円滑に進むようなプロセスが取り入れられている。また、資金のガイドラインや申請様式はインターネットで簡単に入手できるうえ、申請書の提出もオンライン化されている(www.cepf.net)。同基金の日常の資金管理はCIが担当し、世銀とGEFが他の出資機関と共にこれを監督する役割を担う。

 「環境への圧迫を少しでも軽減するには、貧しい人々の生活を支える現実的な替案を今すぐ考え出す必要があります」と、ジェームズ・D・ウォルフェンソン世界銀行総裁は語る。「この基金は、貧困者の生活を向上させると同時に、長期的には彼らの生活に不可欠な、生物の多様性を保護するための対策を見出す手がかりを与えてくれるはずです」。

 同基金は、世界自然保護アジェンダのいくつかを前進させ、ひいては保護地域の管理面と種の多様性の回廊(コリドー)間の協調面での改善を導くだろう。また、基金による支援は、研修、国境を超えた立案作業、鉱業・石油採掘産業との現地での対話の促進、優先事項の設定、紛争解決、コンセンサス構築、地元組織の強化、民間セクターと保護地域の間のパートナーシップ促進といったプロジェクトに向けられる。

 「この基金は、具体的な便益を世界的な観点からもたらす現場のアクションを拡充するための重要な第一歩と言えます」と、モハメド・T・エル-アシュリーGEF議長兼CEOは語る。「これを正しく実施できれば、そこから学ぶ教訓のみならず、個人やコミュニティーの行動が輪をかけて広がり、地球規模で生物の多様性を保護する大きな結果を期待できるはずです」。

 CI、世界銀行、GEFの3機関は今後5年間にそれぞれ2,500万ドルを同基金に拠出する予定で、残りの7,500万ドルは他の援助供与機関から募ることになる。同基金の1年目の業務は、主にマダガスカル、西アフリカ、熱帯アンデスのホットスポットに的を絞る予定で、その後は毎年、危機に直面する他のエコシステムのうち少なくとも5ヵ所に支援を行う。

 「一つの機関が単独でこれを実行できるはずはありません。様々な組織が戦略的に手を組んでこそ、各組織がもつ特有の能力を結集でき、業務の重複も避けることができるのです」と、CEPFの理事に任命されたCIのヨーゲン・トムセン副理事は述べる。「この基金は、CIによるホットスポットに焦点をあてた戦略的活動、世銀の各国政策決定者との対話、そして165ヵ国余りの加盟国政府と非政府組織(NGO)を対象としたGEFの幅広い活動を土台に、これら3機関の力を最大限に活かしてゆくことになります」。