第8回生物多様性条約締約国会議(COP8) CIスタッフがレポート!
 
 
最初の2日間のレポートはこちら 市川和佳子 (ブラジル、クリチバ 3月22日/会議3日目)- CBD/COP8では、ABSのように条約に直接的に関係するアジェンダの他、「議題26:Thematic Programmes of Work」の下で、①森林、②内陸の水系、③海洋および沿岸、④農業の4つの域における生物多様性の保全のあり方について、各国から成果報告や今後の提案が発表されています。主にこれらの議論は、専門家による科学的な助言を行うために形成された補助機関会合(Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice: SBSTTA)による勧告に基づいて行われています。 ワーキンググループ会合:森林の生物多様性

「森林の生物多様性の保全」については、日本国内でも認識されているように、地域的・国際的なレベルでさらなる取り組みが必要であることが合意されています。また、森林が温室効果ガスの吸収源として認識されているため、気候変動問題と合わせた議論も行われています。今回、各国から示されている主な課題は以下のとおり。

1. 森林に関する法律の統制・強化
2. エコシステムアプローチの推進と森林保全のための実際の取り組みへの活用
3. デリケートな生態系を有する野生生物保護区や流域などでの違法伐採の撲滅
4. 地域の人々を含めた統合的な保護地域の拡大と管理
5. キャパシティビルディング
6. 遺伝子組み換え樹種の単一植林による森林生態系への影響評価
7. 財政資源の確保と技術協力の推進
8. 木材産品の認証制度を通じた違法木材輸入の回避 など

特に、上記1~7は途上国から求められている課題です。例えば、アジアの森林大国であり、中国や日本向けの違法伐採が絶えないインドネシアからは、まず森林法の強化の必要性が挙げられました。また、東南アジア諸国は、国境を越えた国立公園の設定など、ASEAN内での地域的な協力を推進する意向です。先日、大規模な地滑りによる深刻な被害を受けたフィリピンは、森林伐採が及ぼす自然被害の悪化を避けるために、森林破壊によるリスクアセスメントが必要であると述べました。

アフリカ諸国からの発言では、2010年目標に沿った森林保全のためのキャパシティビルディングや財政確保の必要性が目立ちました。民族紛争や人口増加による森林破壊が見られるルワンダからは、国内問題に沿った対応策が必要であることが述べられました。

一方、日本やEUを含む先進国は、国内政策として木材産品の認証制度など、途上国で違法に伐採された木材の輸入を回避するためのシステム作りが進展していることを述べました。また、違法木材の取引防止のための国際的な情報交換と体制づくりが引き続き必要であることを強調しています。

今回、新たな中心課題として示されたのが、上記6の「遺伝子組み換え(GM)樹種」による森林生態系への影響についての評価です。現在、GM樹種の植林による環境影響は明確にされておらず、先進国・途上国およびNGOから、GM樹種について早急なリスクアセスメントが必要だと強く指摘されました。近年、食料需要の増加に伴う農業地の拡大や地球温暖化防止のためのCDM植林が増えつつある中、GM樹種の使用について、今後、議論が活発化していく模様です。

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