世界両生類サミット-絶滅に瀕している両生類を救済する地球規模アクションプランを発表

 

 
 
生息数の劇的な減少を阻止するため、生息地保護や捕獲飼育、生命を脅かす病気の研究が急務 ワシントンDC(2005年9月20日)- 先端の科学者が参加したサミットで、カエルやサンショウウオなど数多くの両生類を救うための行動計画が合意されました。かれらは、汚染や生息地破壊などのいままで知られている危機に加えて、ほとんど知られていない謎の菌類による絶滅の危機に瀕しています。

 

9月17日~19日に開催された両生類保護サミットでは、この最大脅威から種を救うための緊急対策を含んだ一連の行動提案を採択しました。国際自然保護連合の種保存委員会が召集した60名以上の専門家により、7ページにおよぶ両生類保護行動計画の宣言文が起草されました。

この行動計画は、世界で両生類の約3分の1が1980年代以降劇的に減少し、われわれの世代において最悪の絶滅危機を警告する深刻な問題に直面しているという 昨年の世界両生類評価(GAA)の調査結果に応えるものです。

「いま適切な保護策を打てば、絶滅危機にある種を救えます」と、IUCNの世界両生類専門家グループの委員長でコンサベーション・インターナショナル(CI)の上級執行役員でもあるクロード・ガスコン氏は述べています。「これは両生類にとってノアの箱舟とでもいう事態で、特に菌類が危険です。このまま放置すれば大変危険な状況となり、救う手立てはありません。」

「IUCNの絶滅危惧種リストによれば、これまでに知られた5,743種の両生類のうち1,856種-約3分の1-が絶滅の危機に瀕しています。例えば、鳥類では8分の1、哺乳類は4分の1が絶滅に瀕しているのでこの比率は極めて高いといえます。

危機の理由は様々ですが、すべて地球上の人間の影響-生息地消滅や汚染、過剰捕獲と気候変動-に関係しています。これらの要因は、相乗効果で減少を加速させることもよくあります。

さらに、両生類の敏感な皮膚を痛めつけて死に至らしめる、ツボカビの一種(Batrachochytrium dendrobatidis)が新たに深刻な脅威となっています。この謎の病原体は6年前に発見されましたが、いまのところ自然環境ではコントロールすることができません。

サミットでは、以下の4つの戦略からなる世界両生類の主要課題に対する行動計画を採択しました。 ・ 減少と絶滅の原因を解明 ・ 両生類の分布とその変化を記録 ・ 長期的保護プログラムの作成と実施 ・ 危機に対応した緊急策

「可能性のある絶滅回避の短期防衛策の一つは、絶滅が危惧されている200種以上を捕獲し確実なコロニーを作ることです。」とIUCN生物多様性評価チームのシニア・ディレクターであり、GAAリーダーでもあるサイモン・スチュアート氏は言います。「捕獲飼育コロニーでは、菌による病気を取り除ける可能性も期待できます。」

捕獲飼育の方法は、ハワイガンやMallorcan midwife toadなどを保護する際に採用され成功しました。種が病気で絶滅する恐れが強い国々に対して、アクションプランにおいて同様なプログラムの強化策が提案されています

さらにアクションプランでは、将来において両生類の数を維持・復活するために、生息地保護地拡大と共に自然環境下で菌病を管理・除去する研究を呼びかけています。

両生類の急激な減少は、地球上の生物にとって不吉な兆候かも知れません。地上と水中で生息する両生類は、皮膚が直接酸素と水を吸収するため、汚染や気候変動などによる環境変化を最初に感知できるグループかも知れないのです。


(翻訳・CIボランティア 岡埜河童)

 


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