米国林産物業界と自然保護団体
 
 

全米林産物製紙協会がWWFおよびCIと共同でインドネシアへの木材支援へ

覚書を交わしたのは、全米林産物製紙協会(AF&PA)、世界自然保護基金(WWF)、コンサベーション・インターナショナル(CI)の3団体。提携内容は、米国の木材をインドネシアのアチェ州に無料で提供し、壊滅的な被害を受けた同州での仮設住宅の建築や、住宅、学校、病院、会社の再建に使ってもらおうというものです。

この画期的な提携は、インドネシアの要請に応じて生まれました。インドネシア政府は、環境に対して持続可能な方法で再建を進めるという方針のもと、建築資材、特に木材の提供を求めたのです。提携した3団体は、木材を供給することにより、危機的状況にあるインドネシアを支援します。これは同時に、スマトラオランウータンやスマトラタイガーのような絶滅の危機に瀕した動物種や、極めて多様な植物種の見られる貴重な熱帯林の破壊進行を防ぐことにもなるのです。

WWFの環境保全主任担当官であり最高執行責任者でもあるカーター・ロバーツ氏は次のように述べています。「業界と自然保護団体が協力して困っている人々を支援し、スマトラ島の熱帯雨林を守るという今回の提携は、環境保全活動として理想的なあり方でしょう。」

上記3団体は現在、アチェ州の住宅再建用に北米で集めた材木と合板の試験的な船便開始に向け、準備を進めているところです。また、米国の林産物業界に建築資材の提供を求めるだけでなく、提供された建築資材を米国からインドネシアへ送る費用の負担を政府や民間企業に求めています。さらに、アチェ州に届いた木材を確実に受け取り、分配する力のある優れた人道的慈善援助団体との連携を図っています。

「我々は、提供された木材がそれを最も必要としている人たちに確実に届き、適切に使われるようにするため、試験的なプログラムを行っています。」と、AF&PAの会長兼最高経営責任者W.ヘンソン・ムーア氏は言います。「プログラムがいったん確立されれば、アチェ州の再建のために、責任を持って合法的に伐採された木を長期にわたって提供する手段が確保できることになります。」

2004年12月に発生したインド洋津波は、インドネシアのスマトラ島にあるアチェ州に最も甚大な被害をもたらしました。インドネシアの政策研究機関グリーノミクス・インドネシアは、今後5年間で再建には少なくとも110万立方メートルの丸太が必要だと推定しています。

インドネシア国内で合法的に伐採された木材だけでは、この必要量のほんの一部にしかなりません。外国から木材を輸入しないと、残存する熱帯雨林が不法に伐採され、その存在がますます脅かされるようになってしまいます。生物の宝庫である熱帯雨林とそこに生息する生物種が失われれば、環境保全の上で悲劇であり、乱伐には付き物の土砂崩れと洪水の危険性が高まるのです。

「今世紀最大の課題の1つは、地球上の生命にとってきわめて重要な生物の多様性という自然資産を守りながら、世界で困っている人々に機会と希望を与えることです。今回の場合は、津波によって家や村を失った数百万の人々が対象です。」こう話すのは、ピーター・セリグマンCI代表兼最高経営責任者です。「アチェ州の永続的な環境保全と持続可能な方法による再建を確実に進めるために、大規模な方策が採られています。外国からの材木の提供は、その一つにすぎません。」

AF&PAは、森林、紙製品、木材製品産業の業界団体で、パルプ、紙、ボール紙、木製品の製造に携わる240以上の企業や関連団体を代表しています。会員企業は、北米で6000万ヘクタール以上の森林を持続的に管理し、その管理法を世界各地でも推進しています。また、リサイクルと紙の再生に世界でも率先して取り組み、我々の生活に身近な木製品や紙製品を大量に生産しています。詳しくは、ウェブサイトwww.afandpa.orgをご覧ください。

パンダのロゴで世界的に知られるWWFは、絶滅の危機に瀕した生物種とその生息環境を守り、地球上の生命の多様性を保全するための活動を世界各地で展開しています。設立から40年が過ぎた今、活動地域は100カ国を超えるまでになりました。

(翻訳・CIボランティア 友杉方美)