© Maurizio Biancarelli 2008, www.wild-wonders.com 
 
 

水は、さまざまな形をとりながら地球上の生命を形作り、育んでいます。人間社会も世界に固有の生物多様性も、清潔で安定した淡水源に依存しています。

しかし、私たち地球上の生き物が使える水は、世界中の淡水のわずか1パーセントしかありません。さらに、急速な人口増加によって、この重要な資源に対して持続不可能な需要が生じつつあります。全世界の多くの地域で、すでに淡水の需要は供給を上回っています。 

生物多様性と人間社会の両方が危機に瀕しています。例えば、地球上の6人に1人が清潔な飲料水を入手できない状態です。また、6人に2人には十分な衛生設備がなく、6人に4人は水が媒介する感染症にかかっています

淡水資源の劣化と減少は、今や無視できないほど広がっています。2050年には地球人口が90億人に増大することが予想されますが、そのほとんどが発展途上国で生じることから、世界の淡水危機は今後悪化の一途をたどるものと考えられます。

自然が与えてくれるもの

水は、人間の健康そのものの維持に不可欠なだけではなく、陸水生態系を支える存在でもあります。そして、このシステムは何百人もの人々の食料と生計手段を次々に提供しているのです。漁業、ろ過作用、洪水の抑止など、陸水生態系が提供する生態系サービスは、世界中で年間数兆ドルもの経済価値を生み出していると推定されます。

人々が利用する淡水のおよそ70%は農業用です。私たちはまた、世界のエネルギー生産のかなりの部分を、安定した水の流れに頼るようになりました。インフラの増設、農業開発、飲料水と衛生システムに対する需要が、私たちの地下帯水層を枯渇させ、上水源を汚染しています。そして、淡水を補給し、健全な陸水生態系を維持しなければならない場所から水が奪われています。

気候変動はもう一つの恐るべき脅威となっています。気候変動は、ある場所には必要以上に大量の水をもたらす一方、、それ以外の場所では十分ではないということが起きています。水陸生態系には、美的な価値や癒しとしての価値もあります。

水陸生態系の調査

 

驚くほど幅広い生物多様性が、この限られた清潔な淡水を人類と共有しています。陸水陸生態系は、圧倒的な数の生物種を支えていますが、それらは地球上で最も脅威にさらされている生態系の中にいて、その絶滅率は、海洋域の15倍にのぼります。

このため、陸水生態系とそれが支える生物多様性は、グローバルな環境保全の最優先事項となっています。

コンサベーション・インターナショナル(CI)では、5カ年計画として、既存のパートナー、新しいパートナーと協力し、科学に基づくグローバルな淡水保全の優先事項を設定し、人間社会と淡水が支える生物多様性の両方に資するため、主要な資源の管理・保護を実施するとともに、政府と市場のための革新的な政策を推進することにしています。