フィリピン・ペニャブランカの持続可能な森林再生事業
植林に向けて苗を育てています
 © Yoji Natori/CI
 
日本企業、現地政府、住民とのパートナーシップによる森林再生事業

コンサベーション・インターナショナルは、トヨタ自動車、フィリピン環境天然資源省およびペニャブランカ町と共に、フィリピン・ルソン島北部で、地域社会に調和した持続的な森林再生プロジェクトを実施しています。CO2を削減すると同時に、生物多様性にプラスの効果をもたらし、地域住民が森林資源を有効に活用し持続的な生活を営めるような社会システムを構築することを目指しています。

生物多様性と課題

フィリピンは、世界34か所にある「生物多様性ホットスポット」の一つであり、特に生物多様性が高いメガ多様性地域にも挙げられています。固有種が多く、生息種数も非常に豊富です。同時に、最も危機にさらされているスポットの一つでもあります。

ペニャブランカは、フィリピンの天然林の25%が残るシエラ・マドレ山脈に位置しています。地域住民は森林資源に頼って生活しており、薪炭材利用や放牧が森林減少の原因や森林の再生の妨げになっています。

カガヤン川下流では、流域での森林破壊により流出した土砂が堆積し、雨季には洪水による被害が深刻です。乾季には水の確保に不自由する地域もあります。また、この森林の荒廃は生物多様性の劣化も招くため、早急な対策が必要です。残された森林を守り、健全な森林を再生することは、水資源や土壌資源の維持に重要で、気候変動による環境の変化に適応していく上でも鍵になります。

持続可能な森林再生のアプローチ

下記のアプローチを組合せ、持続可能な森林再生を進めています。

アプローチ①
「在来種の植樹」による森林再生を行い、生物多様性の保全に加え、土壌流出防止や水資源涵養に貢献する。(計画面積:1800ha)

アプローチ②
農地に果樹を植える「アグロフォレストリー」により、生計手段の多様化、収入の増加を図る。(計画面積:700ha)

アプローチ③
自然林の薪炭利用に代わる燃料を定着させることにより、「森林減少の圧力を取り除く」。農地の周辺に薪用の木を植えたり、近隣地域で発生しゴミとして捨てられているもみ殻を燃料とするコンロを普及したりすることで、自然林の伐採を引き起こす原因を取り除く。

アプローチ④
アグロフォレストリーの利益の一部で「植林基金(Reforestation fund)」を設立し、持続可能な森林再生(Sustainable Reforestation)サイクルを維持・拡大していくための資金源とする。

 パートナーシップ

 

メリット
1. 本来あるべき森林の回復
2. 薪炭材確保による自然林伐採の減少
3. 果樹栽培による農業収入の多様化
4. 水源地の保全
5. CO2の吸収
6. 生物多様性の保全
7. 地域社会の経済的自立促進
8. 森林拡大の可能性

 

 

 

 

 

本プロジェクトは、CO2削減と同時に、地域社会と生物多様性など様々な面で大きなプラスな効果をもたらすとして、第三者審査を経て2009年12月、CCBスタンダードによるゴールド認証(validation)を取得しています。今後は、計画を着実に実施して多面的便益を実現し、5年に一度、実績の評価(verification)を受ける予定です。プロジェクト設計書と第三者機関の評価書はhttp://www.climate-standards.org/projects/を参照ください。