「グリーン・ウォール」の創生 グヌングデ・パングランゴ国立公園 住民参加型森林再生プロジェクト 現地からのお便り【2013年4月23日】
 
 
 
森林再生事業の進捗
水は、生命の源。動くことの出来ない植物は、天から雨が降ってくるのを待つ他ありません。雨季に入り、私たちが植えた木々は、青々とした葉を存分に広げ、すくすくと育っています。

でも、雨を待っていたのは、私たちが植えた木々だけではありません。小さな苗にとって、周りに生えている雑草やツルは、手ごわい敵です。苗が雑草に覆われてしまわないよう、定期的な雑草とりがこの季節の大事な作業になります。​

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   雑草取り                          植林地の様子

プロジェクトでは、森の再生に在来種を使っています。ユーカリやアカシアといった一般的な林業で使われる樹種では、成長の速度が調べられていますが、自生種についての情報はほとんどありません。1月~3月、これまでに植えた6種類の自生種の木々から各種10本を選び、高さと太さを測りました。

一番成長が早かったのは、センダン科のSuren。続いて、モクレン科のManglid、フトモモ科のSalamでした。これらの種は、1年で2.5mから3mも育っていました。比較的ゆっくりと成長していたのは、マンサク科のRasamala、ツバキ科のPuspa、フトモモ科のKisireumでした。

森は、個性豊かな多様な木々で成り立っています。明るい場所でぐんぐん育つ木、他の木の陰でゆっくり育つ木。森が失われてしまった跡地で、どの種類の木から森林再生を始めたらよいか。実は難しい問題です。私たちの経験が他にも活かされることを願っています。

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   直径を計測                        樹高を計測

コミュニティ・アグロフォレストリーの開発
プロジェクトでは、植林地や国立公園を縁取るように数種類の果樹を植えています。今年、グアバの木が待ちに待っていた果実をつけました!ある程度の量を収穫できるようになれば、コミュニティの大切な収入源の一つとなります。

また、その他にも、地元コミュニティが森を傷つけることなく豊かに暮らすことが出来るよう、家畜飼育、淡水魚の養殖、持続的な農業といった生計手段の開発を支援しています。前回のお便りで紹介したキュウリに続き、インゲンマメも収穫できるようになり、市場に売りに出されています。

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  グアバの実                        インゲン豆を市場で売るための準備

「グリーン・ドクター」と移動環境教室
私たち人間の生活は、森とつながっています。都会では見えにくいそのつながりも、ここでは、とても身近に見つけることができます。例えば、水。空から降ってきた雨粒は、木々を伝い下り、森の豊かな土で浄化され、地下に蓄えられ、少しずつ地表に流れ出てきます。そしてその流れが田んぼを水で満たし、のどの渇きを癒し、人々の日々の生活と健康を守っているのです。

1月~3月、私たちは4つの学校で環境の授業をしました。子供たちが健康な暮らしと森のつながりについて楽しく学べる、ゲームや音楽、自由な話し合いも取り入れた授業です。どうして森を守るのか?答えは一つではありません。でも、自分たちの健康な暮らしを守るために森が必要だ、という事実を伝えることは、とても大切です。

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インドネシアの太鼓「べドッグ(BEDUG)
ボーン、ボーン。インドネシアでは、太鼓が日常的によく使われています。一日に数回、モスク(イスラム教のお寺)から聞こえてくる太鼓の音は、お祈りの時間の知らせです。

べドッグと呼ばれる写真の太鼓は、木の幹の中をくり貫き、ヤギの皮を張って作られます。皮の張り具合で、音を変えることも出来ます。このように、インドネシアの伝統的文化や慣習にも、森の恵みは活かされているのです。

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