​【意見書提出】 京都亀岡市で検討されているスタジアムの建設について -危機にさらされるKBA-

2015年3月4日


今月、CIジャパンは、京都亀岡市で検討されている京都スタジアム(仮称)の建設が、生物多様性重要地域(Key Biodiversity Area; KBA)に及ぼす負の影響を懸念し、京都府知事、亀岡市長、京都府公共事業に関わる第三者委員会の委員の方々に対し、十分な科学的検討の上、絶滅危惧種アユモドキの自然下での存続が確保されることを期待する趣旨の意見書を提出いたしました。

長年続いてきた人間の活動が安定した環境を作ってきた場合、生物多様性を維持していくために、地域の活性化が必要なことがあります。しかし、地域活性化のために大規模な開発行為が選択肢とされると、自然とのバランスが崩れてしまいます。京都府亀岡市で検討されている京都スタジアム(仮称)の建設は、国際的に生物多様性保全の鍵となる地域(Key Biodiversity Area: KBA)の条件を満たす、絶滅危惧種アユモドキの生息地を脅かすことが心配されています。

この件は、海外でも重要な課題と認識されています。国際自然保護連合(IUCN:本部スイス・グラン)の世界保護地域委員会および生物多様性観測ネットワーク(GEO BON)において淡水生態系について中心的な役割を担っているイアン・ハリソン博士も、CIジャパンを通じて、関連行政機関に意見書を出しています。

このアユモドキとスタジアム建設の例は、自然と人間生活が調和した社会を築く上で非常に大きな課題を表しており、従来の「自然保護」の枠組みだけでは解決できないものと考えられます。自然が持つ様々な価値がしっかり認識される仕組みがなければなりません。時には、その価値に応じた利益共有・分配の制度も必要になるでしょう。解決策を見つけていくことは、CIが大切に考える「自然を守ることは、人間を守ること」へつながる持続可能な社会を実現するために、避けて通れない課題と認識し、CIは今後もこうした問題に取り組んで参ります。

 

CIジャパンからの意見書「国際的な生物多様重要地域に係る「亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)」の整備について

イアン・ハリソン博士からの意見書